夫が死にましたので、お情けで後宮の妃になりました
一人目の夫は初夜を迎える直前、急病で死んだ。
二人目の夫は初夜の翌朝、戦場に旅立ち、その一か月後に戦死の知らせが届いた。
私は疫病神と呼ばれた。
公爵家の娘といえど、こんな疫病神を嫁に欲しがる家はなく。
私は行き場を失くしてしまった。
そんな私を助けてくれたのが皇太后陛下だった。
『良い相手が見つかるまで、皇帝の後宮で過ごせばよい』
後宮の妃として数年過ごした後、皇帝からの下賜という形での嫁入りならば受け入れてくれる家もあるだろう、と。
私の母と懇意にしていた皇太后陛下が、気の毒な私のために皇帝陛下に頼んでくださったのだ。
父は、この提案をありがたく受け入れた。
こうして私は、五つ年下の皇帝の後宮に入り、妃となった──。
* * *
後宮に入ったその日、皇帝の寝室に呼ばれた。
お情けといっても、後宮に入った以上は務めを果たさなければならない。
皇帝オルハンは、感情の見えない碧い瞳でじろりと私を睨みつけた後、
「寝台へ」
と、淡々と命じた。
これを聞いた侍従たちが、黙って部屋から出て行く。
二人きりの寝室で、私は深く息を吐いた。
皇帝に命じられれば否やはない。
私は最高級の絹のシーツが敷かれたベッドの上に上がり、手をついて頭を下げた。
だが、いつまで待っても皇帝が来ない。
ソロリと顔を上げると、なんと皇帝は机に向かってペンを走らせていた。
「……あの」
声をかけると、皇帝がわずかに顔を上げた。
絹糸のような金の髪に、窓から差し込んだ月明りが差してキラリと光る。
「……不本意な入内だと聞いている。朝までそこで休んで部屋に戻れ」
ぶすっと唇を尖らせたまま告げて、皇帝はまた手元の書類に向かい始めた。
「ですが……」
「眠れぬのなら、本でも読んで時間をつぶせ」
ぴしゃりと言われて、はたと気づいた。
(皇帝陛下にとっても不本意だった、というわけね)
だいたい、こんな年増の妃には食指が湧かない、ということだろう。
皇帝は金髪碧眼の美しい青年だ。
後宮には、それこそ年若い美姫が鈴なりになっている。
私のことは母親である皇太后陛下から頼まれて、お情けで後宮に入れただけなのだ。
(そういうことなら)
彼の言う通りにすれば夜伽をしたという記録だけは残るので、務めを果たしたという形にはなる。
ただ、この夜が終わるのを淡々と待つだけ。
それが互いのために、最も建設的な過ごし方だ。
私は言われた通り、皇帝の書棚から本を拝借することにした。
歴史や法律、経済などの学術書が並ぶ小難しい書棚だ。
私はそこから、近代史の書を手に取った。
一度目の結婚前、家庭教師に習っている途中になっていたことを思い出したのだ。
「……」
「……」
皇帝は朝まで執務に励み、私は歴史書を読みふけった。
こうして、私の最初で最後の夜伽が終わった──。
はずだったのに。
なぜかその翌日にも、寝室に呼ばれてしまったのだ。
「今夜も、ですか?」
思わず尋ねた私に、宦官が深く頭を下げる。
「はい。皇帝陛下は、ラフィエ様をご所望です」
恰幅の良い宦官は人好きのする顔でニコリと微笑み、ゆったりと頭を下げた。
男性らしくないたおやかな仕草に、思わずドキリとする。
宦官とは、後宮で妃たちの世話や管理を行う男性のことだ。
彼らは外国で奴隷として買われ、去勢され、この後宮にやってきたのだという。
「ですが、他の妃の皆様が……」
この後宮には約三百人の女が暮らしている。
私のように妃として入内した貴族の娘が十七人、その世話をするための女官と奴隷の娘が数百人。
全て、皇帝のために集められた、皇帝の女だ。
皇帝はその中から夜伽をさせる娘を自由に選ぶことができる。
「皇帝陛下の、ご所望、です」
宦官がもう一度繰り返した。
拒否権などない、というわけだ。
「それから、こちらは昨夜の褒美でございます」
金の装飾が施された立派な箱の中には、金貨がぎっしり詰まっていた。
(夜伽をした娘には、その翌日に褒美が届けられると噂には聞いていたけど……)
結局何もしなかった私に対して、これは大盤振る舞いが過ぎるのではないだろうか。
いぶかし気に首を傾げると、宦官は鷹揚に頷いた。
「戸惑っておいでですか?」
「ええ。他にも美しい姫君が大勢いらっしゃいますから」
くすんだ枯れ葉色の髪に、オリーブ色の瞳の地味な顔立ち。体型も十人並みで、豊満な胸も持ち合わせていない。
だいたい、皇帝は私に触れることすらしなかったのに。
(それなのに、どうして……?)
そんなことを直接尋ねられるわけもなく。
今夜も私は、皇帝の書棚から拝借した本を読みふけっている。
昨夜と違うのは、皇帝と隣り合って座っているということ。
彼の方も、今夜は分厚い本を読んでいる。
人一人分の距離を空けてソファに座り、温かいお茶を飲みながら本を読みふける。
しばらくすると、皇帝が大きくあくびをした。
「お休みになられますか?」
私が尋ねると、皇帝は相変わらず感情の見えない表情で私の方をチラリと見た。
「私が眠ったら、あなたは?」
「部屋に戻ります」
夜伽には様々な規則が定められている。
その一つが、皇帝が起きている間は退室を命じられるまでは部屋にいなければならない、という決まりだ。
逆に、皇帝が眠ってしまった後は、皇帝を起こさぬように早々に退室すべし、とも決められている。
「……そうか」
皇帝は一つ頷いてから、再び本を読み始めてしまった。
妃は自ら退室を願い出ることはできない。
仕方なく、私は明け方まで皇帝の隣で本を読み続けたのだった。
おかげで、近代史の本はすっかり読了してしまった。
翌日、午後になると宦官がやってきた。
今日は五人連れだった。
一人はいつもの宦官で、その後ろには、大きな行李を持った宦官が三人続き、最後の一人は金貨を盛った大皿を掲げていた。
廊下には妃や女たちが見物にやってきて、この行列に羨望の眼差しを向けている。
気まずいこと、この上ない。
だって私は、昨日の夜も夜伽をしていないのだから。
宦官はにこやかにほほ笑み、行李の中の絹織物を広げた。
それを見た私の女官が喜びに手を叩き、すぐに仕立て屋を呼ぶように頼む。
私はひきつった笑みを浮かべることしかできなかった。
その夜も、皇帝は私を寝室に呼んだ。
「……大げさな褒美は結構です」
二人きりになって開口一番に告げると、皇帝はぶすっと唇を引き結んだ。
「気に入らないのか」
「いいえ。たいへん素敵な絹織物をありがとうございます。さっそくドレスに仕立てることにしました」
「では」
「私は、数年で出て行く予定の妃です」
その約束で後宮に入ったのだから。
「どうぞ、他のお妃様をお召しになってください」
深く、深く頭を下げる。
皇帝に意見するなど、後宮の規則を破る行いだ。
それでも言わねばならない。
なぜなら、後宮の役割は皇帝の子を産み育てることだから。
皇帝には、未だに子が一人もいない。
本来の役割を果たせなければ、後宮も存在意義をなくしてしまう。
連日連夜、夜伽の相手にならない女を呼んだところで意味などないのだ。
「……誰かに言われたのか?」
「いいえ」
「では、あなたの考えというわけか」
「はい」
「私に他の妃の相手をしろと?」
「それが、皇帝陛下の義務でございましょう」
これは、言い過ぎだったかもしれない。
だが反省したところでもう遅い。
私は深く頭を下げたまま、皇帝の言葉を待った。
だが、一向に怒鳴り声は聞こえてこず。
代わりに、くくく、と喉を引きつらせたような声が聞こえてきた。
顔を上げてみると、
皇帝が笑っていた。
腹を抱えて、おかしそうに。
「くく、ははは!」
とうとう我慢できなくなったのか、大きな口を開けて声を立てて笑う出す皇帝に、私は呆然とするしかできない。
「そうだな、私の義務だったな」
「ええ、はい」
「だが、嫌だ」
「は?」
「あなたがいい」
皇帝が私の手を握る。
そっと、優しく。
初めて触れ合った彼の肌は、少し冷たかった。
「近代史の新しい本を図書室から持ってきた」
「え」
「他にはどんな本に興味がある?」
「あの」
「私は神話が好きだ。あなたは?」
「き、嫌いではありません」
「そうか。今、外国の神話の本を取り寄せているところだ。届いたら読ませてやろう」
皇帝は嬉しそうに笑いながら、今日も私をソファに座らせて。
その隣で、自分も本を読み始めた。
昨夜よりも、ほんの少しだけ近い距離で。
二人並んで、明け方まで本を読む。
途中、ぽつりぽつりと言葉を交わしながら──。
翌日も宦官が褒美をもってやって来た。
ただし、持って来たのは手のひらの上に乗るような小さな宝石箱が一つ。
「まあ、小さな箱」
「ようやく飽きられたのかしら?」
「そりゃあ、そうよね」
「疫病神なんか……」
妃たちの噂話を聞いて、むしろホッとした。
ところが。
「……っ!?」
宝石箱の中身は、大粒のダイヤモンドの指輪だった。
こんなに大きなダイヤモンドは、もちろん見たこともない。
台座の装飾も見事で、これ一つでどれほどの価値があるのか想像もできないほどだ。
宦官がニコリと微笑む。
今日は、いつもとは違う人だった。
黒髪に金色の瞳の、宦官には珍しい立派な体躯の男性だ。
長身の宦官は、私と目線を合わせるためにゆったりと腰を折った。
「皇帝陛下のお気持ちです。どうぞ、お受け取り下さい」
もちろん、褒美を拒否することはできない。
私は、おずおずと宝石箱を受け取った。
だが、直接触れることなど恐れ多い。
「仕舞っておいて」
女官に命じて、私は一つ溜息を吐いた。
その様子を見て、宦官が優し気な微笑みを浮かべる。
「少し、よろしいでしょうか?」
「え?」
「大事なお話が」
(これはいよいよ、おしかりね)
皇帝の寝室の扉のすぐ外には、常に衛兵が控えている。
そして、宦官もまた扉のすぐ外まで近付く権限を持っている。
当然、部屋の中の様子も聞こえているはず。
連日連夜、二人が何もしていないことなど、宦官には筒抜けなのだ。
女官の方に視線を送れば、優秀な彼女たちは静々と退室していった。
私と黒髪の宦官、二人きりになる。
すると、宦官の表情が一変した。
先ほどまでの柔和な笑みは消え失せ、顔から温度が消える。
ひやりと冷たいものが部屋に広がって。
恐ろしさに、私は思わず後退った。
だが、宦官はそれを許さなかった。
「逃げるな」
そう言って、私の手を掴んだのだ。
「何をするの!」
宦官といえど、許される態度ではない。
だが、そんなことは意に介さないのか、宦官はそのまま私の身体を強く引き寄せた。
「っ!?」
至近距離で、金色の瞳が私を見つめている。
万華鏡のようにキラキラと輝く光彩の中で、強い意思の宿る黒々とした瞳孔が、真っすぐ私の瞳を射抜く。
──その視線には、覚えがあった。
「……タリク、さま……?」
思わずこぼれたのは、戦場で死んだ二人目の夫の名だ。
そんなはずないのに。
だって、顔は似ても似つかない別人のそれだ。
同じなのは髪と瞳の色だけで。
だいたい、夫は連隊を率いる国内随一の戦士だったのだ。
こんな場所で、宦官などしているはずがない。
宦官はニヤリと微笑んだ。
「たった一夜だけを共にした夫のことなど、とうに忘れていると思っていたぞ」
そして、胸元をわずかにはだけた。
そこには、十字傷と二つのほくろ。
初夜の晩に見た、夫の特徴と完全に一致している。
あまりのことにこみあげてきたのは、恐怖だった。
「どうして?」
震える声で問う私の身体を、夫が──元夫が抱きしめた。
「あなたを取り戻すためだ」
夫は右手では私の方を優しい手つきで撫でながら、もう片方の手で私の腰を強く抱いた。痛みに思わずうめき声が漏れるほどに。
「そして、皇帝に復讐する」
ひそやかに告げられた不穏な言葉に、思わず喉が引きつった。
「い、いったい、何を……」
恐怖に震える私の頬を、夫が両手で包み込む。
そして、そっと私の耳元に唇を寄せた。
「あの皇帝は、あなたを手に入れるために二人の男を殺したのだ」
* * *
幼い頃、後宮が世界の全てだった。
母と優しい女たちに囲まれて、ただただ、幸せだった。
だが、それが偽物の幸せだと気づくのに、それほど時間はかからなかった。
優しくほほ笑み合う女たちは、その裏で皇帝の愛を勝ち取るために陰謀をめぐらせていて。
一人二人女が消えたところで、誰も気にも留めなかった。
母もそうだ。
皇帝の母、それがこの国で女が上り詰められる最高の地位。
その至上の宝冠を手に入れるため、母は私の兄弟を殺した。
そうして私は、玉座に座らされた。
ただ一つ。
忘れられない思い出がある。
十二歳の頃のことだ。
後宮を抜け出した先で一人の少女と出会った。
彼女は優しくなどなかった。
迷子になって泣きじゃくる私に、しっかりしろとしかりつけたのだ。
『自分の足で歩かなければ、望む場所には行けませんよ』
そう言って、私の手を引いて共に歩いてくれた。
彼女の名はラフィエ。
由緒ある公爵家の令嬢で、私は母に彼女を後宮に迎えたいと懇願したが、一蹴されてしまった。
当時、彼女は十七歳。
既に結婚適齢期だった。
第一、公爵家の一人娘を後宮の妃にはできないと言われた。
身分が高すぎたのだ。
彼女を妻にするならば、【皇后】として迎えなければならない。
だが、そうなれば巨大な権力を持つ外戚が生まれてしまう。
また、一人娘の彼女は家の繁栄のため、同等の家格の家に正妻として嫁がなければならない立場だった。
そうこうしている内に、彼女の結婚が決まった。
悔し涙を流しながら、思い出したのは、彼女の言葉だった。
(そうだ。望むなら、自分自身の手でやり遂げなければ……)
方法なら分かっている。
女たちと同じことをすればいい。
母と同じことをすればいい。
望むものを手に入れるために。
一人目の夫は祝いの食事に毒を混ぜた。
彼の死は急病として処理された。
だが、まだ足りない。
彼女を手に入れるためには、理由が必要だ。
後宮に入らなければならない、絶対的な理由が。
一年後、喪が明けると彼女に二度目の結婚が決まった。
時を同じくして、私が皇位に就いた。
彼女の二人目の夫は戦士だった。
ならば、毒殺よりも簡単だ。
皇帝の権限で、彼女の夫を最前線へ送り出した。
最前線なのだから、流れ矢が当たることもあるだろう。
不運にも、矢に毒が塗られていたとしても、なんら不思議なことはないのだ。
続けざまに二人の夫を亡くした彼女は、疫病神と呼ばれるようになった。
そうなれば、後は人を使って母上に耳打ちすればいい。
可哀そうなラフィエを助けてやったらどうか、と。
そうして、ようやく手に入れた。
愛する人を。
時間はたっぷりある。
これから、たくさん、たくさん。
時間をかけて、彼女を愛せばいい。
いつかきっと、彼女も私を愛してくれる。
いつか彼女の心が手に入ったとき。
その時こそ、彼女の身体を抱きしめよう──。
* * *
「毒矢を射られたが、俺は辛くも生き残った」
夫がギシリと音を立てて歯を食いしばった。
「俺は、復讐すると誓った。
俺自身の死を偽装して外国に渡った。そこで手術によって顔を変え、奴隷になりすまし、宦官となって戻って来たのだ」
聞かされる全てが晴天の霹靂で、私は眩暈がしてきた。
だが、倒れ込むことは許されない。
夫が、強く、強く私を抱きしめているから。
「あの皇帝は狂っている」
彼の話したことが全て事実ならば、そうだろう。
女一人を手に入れるために、こんな大それたことをしたのならば。
「必ずあなたを取り戻す……!」
夫が再び私の顔を覗き込んだ。
「あなたは俺のものだ」
何も言えない。
ただ、呆然とする私の唇に、彼が触れようとした……
その時だった。
「……ラフィエ」
開け放たれた扉の向こうに、彼が──皇帝がいた。
皇帝は優し気な微笑みを浮かべたまま、つかつかと私たちの方に歩み寄り、そのまま私の腰を抱いて夫から引き離してしまった。
「宦官とはいえ、後宮の妃が男と抱き合うのは感心しないな」
「あの、いえ、これは……」
焦る私を他所に、皇帝は夫の方を睨みつけた。
「ひかえよ」
「は……」
夫は言われた通り後ろに下がり、手を付いて床に頭を擦りつけた。
それを、皇帝が冷めた目で見下ろしている。
(このままでは、殺されてしまう……!)
正体がバレなくとも、皇帝の怒りを買えば、宦官など簡単に殺されてしまうのだ。
「あの、彼は、その……」
なんとか絞り出した声は震えていた。
もはや、何に怯えているのか、自分ですら分からない。
「眩暈がしたところを助けてくださっただけです」
「……そうか」
皇帝はあっさりと言ってから、私の腰を抱いたまま部屋から出た。
「あの……」
「取り寄せていた本が届いた。夜になるまで我慢できなかったので、迎えにきたのだ」
そう言って、皇帝がうっとりと微笑む。
「今夜も、共に過ごしてくれないか?」
私には、頷くことしかできなかった。
ちらりと、後ろの方を振り返れば。
夫が、真っすぐな瞳で私を見つめていた。
その口が、小さく動く。
『あいしている』
確かに、そう告げたようだった。
* * *
その後、二人の陰謀が私の運命を振り回したことは言うまでもないだろう。
私の愛を手に入れる。
ただ、そのためだけに、大勢の人が巻き込まれた。
狂っていたのだ。
あの場所は。
愛が、全てを狂わせたのだ。
だから今、私がこうして遠くの海を眺めながら穏やかに過ごせているのは、まさに奇跡と呼べるだろう。
「自分の足で歩かなければ、望む場所には行けない……」
それを信じて、ここまで歩いてきた。
その物語を語るのは、また別の機会に──。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ネタだけ練っていた作品を短編で投稿しました!
皇帝と元夫、どちらのエンドになるのか、作者にも分かりません!!!!!!
皆さまは、どっちがいいですか!?
感想等で聞かせていただけると、とっても嬉しいです!
面白いなぁと思っていただけましたら、評価&ブックマークよろしくお願いいたします!!