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自己練習

全ての生き物が等しく持つエネルギー「ぎょく」を駆使して生きる人々。

「玉」のスペシャリスト「演算士」によって繰り広げられる戦いに憧れ、巻き込まれながら成長していく1人の青年の物語。

俺って結構真面目だったりするんだよね。それに中学までは成績優秀、運動神経も良い方。顔も悪くないと思う。(これって自意識過剰かな?)性格もポジティブだから今まで壁にぶつかったことがあまりない。しかし、ここにきて変数値0。運動神経良くなくていいから変数値がまともだったらなー。別に好きでもなく、やりたくもないマイナーなスポーツで変に才能開花して入りたくもない運動部に勧誘されたことが何度もある。助っ人としては数え切れないほど試合に参加した。なーんて考えてても意味ないしなー。


帰宅後、自室にて下校の途中で買った「これ1冊でぜーんぶわかる玉の基礎」という本を読み始める。

すごい強調されてたから買っちゃった。


「本屋のイチオシねぇ」


「ふ~ん。玉を放出することを通して基本術式の本質を掴むっと。」

本に書いてある内容を無意識に声に出す。というか独り言が多い。俺の癖。

この癖によっていつもは怒らない優しい母親がブチギレたことがあった。繰り返し注意されてもやめなかったためである。いつも優しい人が怒ると怖いよねー。名前つけたいくらいなんだけどあの現象。名前ついてないよね?




まあいいや。この本には、授業で習ったことに加えて、基本術式の習得方法や応用術式について書かれているらしい。あと表紙に書いてあった通り、「玉」についての基本的なことが諸々書いてあった。


応用術式は演算士の中でも上澄み中の上澄みが使える術式らしいからそーゆーのもあるよ程度にしか言及されてなかった。


「基本術式は人それぞれ感覚が違う。同じ術式でも力む感じと説明する人もいれば、真逆の力を抜く感じと説明する人もいる。

そのため、玉の放出を繰り返すことで自分だけの感覚を掴む必要がある!?」


「はぁ??

それなら参考書の意味ねーじゃん。」


その参考書の最後には「自力で頑張れ、あとは努力とセンス」とマシュマロみたいな可愛らしいキャラクターが親指を立てながら笑ってる。煽ってる?






コンコンッ

「悠聖ご飯。あとうるさい。」少しだけドアを開け、半分だけ顔を出しながら母親が言う。俺の母親は36歳だが疲れ具合で20代前半から40代後半まで外見が変わる。今日は40代後半である。


うわー。また癖が出てしまった。それにしても今日も疲れてるなー。多分昼過ぎくらいから頭痛が続いてるんだろーなー。もう独り言の癖がでないようにしなきゃ。またブチギレられる。あの時も頭痛という要因が大部分を占めてた。多分。




夕食を食べ終えるとすぐ自室に戻り「玉」の放出を練習する。


「まーいいやいろんな感覚をイメージしながら玉を放出するのが良さそーだな。」



って待てよ…俺、変数値0だったから加術と減術習得できたとしても何ら変わりないじゃないか、、、けっこー詰んでね?


それに乗術と除術は難易度が桁違いだってゆーし。終わったかも。

そんなことを思っていると右手の手のひらの上にあった「玉」が制御できなくなり、自室の窓に直進して行く。


「ヤベッッッ」


ガガン、パリン


やっちまったぜぇ


ドンドンドン


2階にある自室に向かって凄まじい足音が聞こえる。ドンマイ!俺。。。



結局、母親からこっぴどく怒られた。窓の修理代は俺のお小遣いから引かれることになり、期限なしでお小遣いがもらえなくなった。バイト禁止の学校だから相当キツイだろーなぁ。それに家の中で「玉」の練習をするのが禁止になった。


お母様から「山でも行って誰もいない場所で練習して来い」という御尤もなお言葉をいただいた。


練習初日から大失敗をしてしまったなぁ。


「山行ってくるかぁ」


俺の住んでるところはまあまあな田舎で自転車で10分ほど走れば人通りが皆無な山で溢れている。割といい感じの練習スポットを見つけた。




気づいたら22時前になっていた。ここにきてもう2時間も経ったのか。


帰りにスーパーに寄って母親の大好物であるモンブランを買った。ギリ許されなかった。

気が散っていたため、主人公は「玉」の制御ができなくなりました。

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