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「あーやばかった…ホントどれもすごかった。こんな世界があるなんて、もっと早くに知っときたかったわー。」
そう呟きながら里桜は写メを確認する。
翔とのツーショットもあるけど、昴を混じえてのスリーショットの方が圧倒的に多い。
この2人に挟まれている自分を客観的に見ると、なんだか釣り合っていない気がする上に普通に照れくさいと思った。
アラジンエリアもアリエルエリアも一通り満喫できて、今はふらりと入ったレストランカフェで休憩しているのだが…
辺りはいつの間にか暗くなってきていて、あの二人を数時間も放置していたことに今更気がつく。
慌てて昴に電話をかけさせた。
「……電話でねーな、あいつ…
まっいっか。まだ放置しとこーぜ」
「でも瞳はそうそう酔い潰れないよな。
クマはどうしてるんだろうね」
どこまでも呑気な2人に里桜はみるみる眉を顰める。
「ちょっとちょっとそんなこと言ってる場合じゃなくない?!ランドで潰れちゃってるなんてやばいじゃん!」
「なんでー?」
「えっ、ななんでって…」
「ランドだからこそ、大丈夫だろ」
昴の言葉に、翔もうんうんと頷いている。
里桜は言葉に詰まり、考え込んでしまった。
キャストの人たちが全員親切だからとかそういうことが言いたいんだろうか?
それとも、夢の国だからどうとでもなる的な話だろうか?
よく分からないけど心配は心配だ。
里桜は呑気な2人を無視して瞳に電話をかけた。
なかなか出てくれない。
不安の表情になる里桜に、噴き出しながら昴が言った。
「大丈夫だって。どーせまだあそこで飲んでんだよ。それより早くテラータワー行こーぜ。里桜乗りたがってたじゃん」
「今なら夜景が綺麗に見えそうだな」
口々に言う昴と翔を睨みながら、電話に耳を澄ます。
やっぱり出ないか…これはもう行くしかない。
そう思って切ろうとした瞬間、、
«よおー。里桜ー?»
「くくくくくま!!!!!」
突然のクマの応答に思わず叫んでしまった。
それと同時に、昴と翔がこちらを見る。
«瞳のスマホが鳴ってるの気づいて出た»
「瞳は何をしてるの?大丈夫なの?!」
«今はこいつ寝てやがる。»
「えええええー!!てかどんだけ飲んでたんだよーもおー!しかもまだそこにいるのっ?…」
すると突然、昴が横からスマホを取り上げてきた。
「おいプー太郎!お前なんっで俺の電話には出ねーんだよ!」
«あ?てめーの電話には気付かなかっただけだろ。だいたい瞳のスマホだろこれ。»
「とにかく俺らは今からテラータワー並ぶけど、お前も来たいんなら瞳を今すぐ起こせ。」
«めんどくせーからいい。お前らで乗ってこい。それまでおいらはここでのんびり飲んでる。»
「…あっそお。じゃー俺ら行くまでそこを動くんじゃねぇぞいいな!」
«指図すんな»
プツッー…
クマの方から電話は切られた。
昴がため息混じりに里桜にスマホを返す。
「俺たちで行ってこいって。まぁうるせーのいなくて逆にいっか。」
「もお…大丈夫なのかなホントに…」
「クマ助が潰れてないなら大丈夫だろ。」
そう冷静に言う翔が、昨日も今日もやはりダントツで呑気だと思った。
よく言えば落ち着いている…のだろうが。




