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3

着いた先は大きな屋敷。

たどたどしいどす黒い空気が滲み出ている。

おそらく2人は中にいるだろうということはもう4人ともわかっていた。


「どうする?闇雲にやると、中にいる2人にまで危害を加えてしまう。かと言って、このまま中に入っていったら私達も2人みたいに…」


里桜が耳を弄りながら言うと、昴が満更でもない様子で笑いながら言った。


「大丈夫大丈夫。3人とも下がってて。

…1発で決める。」


「っ!え!ちょっと、す、すばるっ」



ドッカーーーン!!!!!!




昴によって、屋敷が跡形もなく破壊された。

ただの瓦礫の山と化してしまった残骸から、ボロボロに汚れた夢子と理玖が這い出てきた。


「もう、全然大丈夫じゃないじゃん…あのバカ」


瞳のつぶやきと同時に昴がケラケラ笑いながら言った。


「夢子ぱいせーん!生きてるぅ〜?」


馬鹿にしたような昴の態度に、夢子はキッと睨みあげながら立ち上がる。


「また昴ね!あんたのせいでアタシのスカート破けたじゃないの!」


夢子は制服のスカートを結びながらさぞ苛立った顔をしている。



バガガガガガ!!



「うぁっ?」



その時、夢子の後ろに迫っていた呪いを瞬時に退治したのは翔だった。



「そういう所だよ昴。目上の人への口の利き方」


「だって俺、年上敬ってないもーん」


「なっ!なんですってぇ?!」



べ〜と舌を出す昴と完全に殺気全開の夢子がまた喧嘩を始めた。


「昴、いくら魔術が未熟だからって、歳上なんだから敬うのは礼儀だよ」


「か、か、翔あんたも相当失礼よ!分かってんの?!お前らァ!!」


少し天然なところがある翔の一言でさらに火がついてしまった。




「わざわざ来てくれたんだね君たち。先輩なのに助けられてしまったなぁ」


理玖が身なりを整えながらため息混じりに言った。

彼女はSの一つ下、A級のとても強い魔術師の先輩だ。


一見、男性のようにも見える中性的な美人だ。




「夢子先輩も理玖先輩も、本当に大丈夫ですか?」

「丸一日連絡つかずでめちゃくちゃ心配したんですからあ!」


「心配はありがたいけどさぁ!こいつらは連れてこなくていいでしょうよ!」


夢子の言うこいつらとは昴と翔のことだろう。


「まぁまぁクズのことは放っときましょーよ」


瞳は度々このコンビをクズ呼ばわりする。

見た目は明らかに柄の悪い不良にしか見えないし、それが2人も揃えば誰がどう見てもろくでもない非行少年にしか見えない。

しかし、突拍子のないことをしでかす無敵の2人は自他ともに認める"親友"だった。



「あれれ……。君たちまさか、境界癖を忘れてるなんてことないよね?」



理玖の言葉に、皆の表情が固まる。


「すーばーるー!」


「っは、はは。忘れてたわ〜」


「忘れてたじゃ済まされないでしょ!どーすんのここまで派手に破壊しといて!!大ニュースだよこれは!!!」


「今からでも遅くは…いや遅いかっはは」


「昴が自分で言ったんだよ!ブラインドは俺がやっとくって!」


里桜は焦りすぎていて下の名前で呼んでいることには気が付かなかった。


「おっ、いいねいいね〜

もっと呼んで!昴って!」


「…っな?!…ふざけないで!」


そんないきり立つ里桜の腕を翔が掴んだ。


「まぁ過ぎたことは仕方がない。落ち着こう里桜。」


冷静な声色で諭されれば里桜は黙りこくってしまう。

でもこれは一大事だ。

即座に鬼頭にメールを打った。



「さぁーて、そいじゃー俺らはお待ちかねの観光と行きますか!ホテルも取ってあるし!ぜーんぶ鬼頭の金でね!」


「っ、あんたたちホントは私たちを助けることよりもそっちがメインだったんじゃ…」


夢子の言葉は完全に無視された。

4人はすでにキャッキャとスマホの地図やサイトを開きながら行き先を話し合っているようだ。


理玖は「せっかくだから私たちも行こう夢子」

そう言いながら顔を顰めている夢子の肩を叩いた。

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