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「私、アクアヴィット。で、クマはどーする?」


「んー…おいらは…カール、バ、…」


「カールスバーグね。あとこのオードブルの盛り合わせください。それからこの骨付きソーセージってやつも!それとぉ…ストローくださいっ」


『かしこまりました!』


さすがドリームの店員さんと言ったところで、

ダッちゃんでもないクマのぬいぐるみと会話をしている瞳に対してにこやかな笑みしか浮かべない。



このバーは本当に雰囲気がいいし、豪華だし、瞳は満足気に大きなソファーの席で寛ぐ。


「じゃんじゃん飲もーぜクマ太郎!ぜーんぶ神塚のおごりだから!」


ニッと笑ってお札をチラつかせる。



「そうなのか?あいつ意外と気前いいんだな」


「昨夜私に酒奢るって約束したからね!」


「また約束か。やっぱ人間は約束が好きだな。」



ひとまず乾杯をする2人。


瞳はすごい勢いでごくごく飲んでいる。


「んーっ!うっめー!!さいっこーだな!

え〜次どれにしよ〜」


メニューを捲る瞳の隣で、クマはストローを使ってちびちび飲んでいる。


「あっ、てかさぁクマって酒飲めたんだね。初めて知ったわ。」


「や…酒は初めてだ。」


「えっ?うっそ大丈夫?」


瞳は目を丸くしたのだが、クマは意外にも余裕そうにしている。


「大丈夫だ。意外といける。コーラよりかはな。」


「でしょでしょ!ちなみにそれはスウェーデンの酒だよ!

いちごミルクより美味いっしょ!」


「いや、いちごミルクには適わねーが。

つかスウェーデンって言えば壱屋京介か。」


「あーそいや壱屋も酒好きなんだよ!私に負けず劣らずすげーグルメなんだ、あー見えて!」


「ふーん。」


興味なさげにオードブルを食べだすクマ。

その隣でまた瞳は店員を呼び止めて注文をする。



「なぁ瞳、お前は里桜のことが好きか?」


突然のその質問に、瞳は変なところにナッツが詰まってしまい咳き込んだ。


「ゲホッコホッ…んぐ…は…なにいきなり」


「お前って、里桜のなんだ?」


「え、待って。意味わかんない。なんだって…友達でしょ」


クマはむしゃむしゃと生ハムを食べながら窓の外を見ながら言った。


「ただの友達?」


「……フツーに大好きな友達だよ」


「それは親友ってやつか?五条や傑が言うような。」



瞳は骨付きソーセージを齧りながら、クマが見ている同じ場所に視線を流す。

お揃いの耳をつけた制服姿の中高生のような5人組がはしゃいでいるのが見える。



「うん、そだね。親友。ちょー仲良しのね。」


食べていたソーセージが横からクマにひったくられる。

クマはそれを齧りながらまた喋りだした。


「里桜は出会ったばかりの頃、どんなだった?」


「んー…そうねー、とにかくめちゃくちゃタジタジだったな。愛想もあんまなくって敬語使ってて。…私は同じクラスに女子が来てくれたのが嬉しくてたくさん話しかけたんだけどさー。」



考えてみたら、あの頃の里桜とは別人だ。

いつからこんな感じになったっけ。



「神塚も天馬も私も、けっこー頑張ったよ。心開いてほしくてねー。いろいろ連れ回したり…わざと馬鹿やって見せたりさ。」


窓の外を見つめたまま、酒に口をつける。

そういえば…酒といえば…


瞳の頭の中にあの日のことが蘇った。

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