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「あ〜やっぱ返信ねーなー。もう寝てる系?早すぎじゃね?」
昴はベッドで上半身だけ起こして大きい枕に寄りかかりながらスマホを弄っている。
「寝てんじゃない?それか……」
隣に寝そべってそっぽを向きながらスマホで明日のドリームスカイのサイトを見ている瞳が言葉を濁した。
それを聞いた昴があからさまに口角を上げる。
「ちょっと行ってきていいー?」
「…はぁ…あんたってさぁ、いっつも何考えてんのかわかんないんだけど、一体何がしたいわけ?」
「え?俺ちょー分かりやすいって言われるよ?」
「分かりやすいようでいて分かんねーんだよ。」
つーかどこに酒とか食いもんの一覧表あんの?
とぶつぶつ言いながら瞳はスマホから目を離さない。
「そっかなぁー。俺わかりにくいかな〜」
そう言いながら待受画面を見る。
リニー耳をつけた全員とクマが映っている。
「わかりにくいってゆーか、あんたはさ、なんだかんだ言って感情と行動が伴ってねーんだよ」
「はぁ?」
「……里桜のこと好きなくせにさ。やってることはいつもキューピットなんじゃん」
「え、俺あんなに禿げてねーし腹出てねーよ?」
「バカか!キューピーじゃねーよ!もういいわうぜー」
瞳は心底うんざりしたようにスマホを放り投げた。
昴は肩を揺らしておかしそうに笑っている。
「めんご、めんご瞳!明日酒奢るからさっ!
許してちょんまげ」
「ふっる!」
「いや、聞いてよ。俺さ、空になるって誓ったんだよ」
「…はぁ?意味わかんねーんだけど」
怪訝な顔で仰向けになり、横目で昴を睨む。
「いつどこで、誰と何をしていてもいつも傍で見守ってる存在ってことだよ。」
「・・・」
「空を見ると心に余裕ができんだろ。」
昴はスマホを見つめているはずなのに見ていないような目でそう言った。
数秒の沈黙の後、瞳が低い声を出した。
「あっそう。じゃーなんでさっき天馬にLINEしたんだよ」
「だって深夜徘徊は俺らの定番だから」
「はぁ?あんたここ来てまでそんな事しようとしてんの?」
「うん。そこらへんぷらぷらできる機会なんてそうないだろ?」
ニッと見せる白い歯を見ながら、瞳はため息を吐く。
「はっ。わけわからん。つーか、それこそ2人の邪魔してんじゃん」
「いやあの調子じゃ里桜は寝てるかなって。それに俺は暇さえあれば翔と一緒に遊んでたいんだよ〜ん」
昴はまたスマホを弄りだし、写メをスクロールしながらくすくす笑っている。
そんな昴に呆れたような表情になりながら瞳はつぶやくように言った。
「あんたってさ、里桜と天馬のどっちが好きなのよ」
ピタリと指が止まり、昴が横を向く。
思いのほか真剣な顔をしている瞳に噴き出しながら答えた。
「どっちもだよ。どっちも同じくらい大好きで、同じくらい大切だ」




