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バスローブでベッドに横たわる里桜の脚をマッサージする翔。


少しだけ、里桜の肉付きが良くなった気がする。

体重もほんのわずかだが重くなったような。

本当に微々たる変化だと思うが、自分にはわかる。

前に、細すぎだから太れと言ったことを、なんだかんだ言っても律儀に守ってくれたのだろう。


里桜は、自分が言ったことはなんでもちゃんと受け取り、そのとおりにしてくれる。

反抗しているのは、唯一、あのルビーについてだけだ。




「…うー…すごい気持ちー…優しいなー翔は…」


「里桜にだけだよ」


ウトウトとしてきて目を瞑る。

まさに極上の気分だ。

ここまで幸せな贅沢をしていいのかと思えてきてしまう。


優しくてかっこよくて強くてマッサージも上手い恋人なんて、最高すぎて、なんなら自分には勿体ないくらいだ。




クマはそんな2人の隣で、さっきから聖書を捲っている。

ホテルの引き出しには確かに必ず聖書がある。


クリスチャンでもないし、手に取ったことはないから内容などは分からないが、読書好きなクマは興味深そうにそれを真剣に読んでいる。



「うっ…は!…んああぁっ…いっ!」


「ははは、さっきよりも良い声で鳴くなぁ」


マッサージがたまに強烈すぎてつい声を上げてしまう。

けれど、解れていく快感と、血流が回り始める温かさで徐々に里桜は意識が遠のいていた。




くーーー…



寝息が聞こえてきたところで、翔は里桜の脚から手を離し、顔を覗き込む。


心地よさそうに深く眠りについてしまった彼女の額にキスをしてからそっと布団をかけた。


「ふ…逆効果だとか言っておきながら、余裕で寝てしまったよ」


「お前がそうさせたんだろ。

五条が言うように、お前はどこまでも優男だな翔翔」



そう言いつつも、クマは聖書から目を離さない。



「…クマ…君はいつまでそれを読んでるつもりだい?

そろそろ電気を消したいんだが」


そう言いながらゴロンとベッドに横になり、手を頭の後ろで組んで天井を見上げる。


なんだかあまり眠くないな…なぜだろうか、と思いながら隣で眠る里桜を見つめる。


その隣から、クマの声が聞こえた。

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