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「ねぇねぇ!翔〜!お風呂ジャグジーだよ!しかも泡風呂の入浴剤もある〜」


ブランド物のアメニティを手に取っては目を輝かせていた里桜が興奮気味に声を上げる。


「そう、なら一緒に入ろうか」


「…えっ…一緒に?」


「うん、やだ?」


にっこり笑ってそう言われ、ドキドキと鼓動が波打つ。

一緒にお風呂なんてなんだか恥ずかしい。

今まで散々裸を見せあってきたとはいえ、それとこれとはなんだか話が別な気が…する。


「…えっと……」


「かして。お風呂溜めてくるから。」


里桜が持っていた入浴剤をパッと取り、翔は浴槽の方へと行ってしまった。


なぜ翔自身はそんなに平気な顔をしているのだろう?

自分の方がおかしいんだろうか?


でも…恥ずかしいけど嬉しい。



さっきからクマは本日何杯目かのポップコーンを食べながら里桜のスマホをいじっている。

今日撮った写メを見ているのだろう。

たまに肩を震わせている。



里桜はソファーに座って足を伸ばす。


「あ〜やっぱさすがに疲れたなぁ〜でもほんっと凄かったぁ…こんな国があっただなんて初めて知ったよ。」


「人間はすげぇよな。こんなものまで作れちまうなんてな」


意外にもクマが真面目な言葉を吐くので目を丸くする。

けれど、確かにその通りだ。

人間は、どこまでも崇高で、そして愚かで、残酷だ。

自分たちの利のためならば、自然も動物も、人をも躊躇なく投資するのだから。




「…ん?……あれは…」


妙な魔力を感じてふと外を見ると、帰っていく人たちの中に、一際奇妙な魔物がくっついている人が見えた。


「だーかーらー、キリがねぇからそういうのやめようって話だっただろが」


祓おうとした瞬間にクマに止められる。

人の多い、そしてドリームランドみたいな場所なんかではああいったものをくっつけて歩いている人がざらにいる。

どころか、かなり多い。


確かにそれを祓っていたらキリがないし、自分たちも仕事で来た訳では無いのだから、ということで最初に魔力使うのは一切禁止という取り決めをしたのだ。



「でも…今はもうホテルで休憩中だし。目の前で見えてる人だけでも助けたいな…」


「じゃあ私がやるよ」


突然の翔の言葉にバッと振り返ると、いつの間にか隣にいて、窓を開けて見下ろし始めた。



「…よく見ると結構いるね。あっちにもこっちにも…

さすがドリームランドだな…」


翔は視線をぐるぐる走らせながら冷静な声色で言った。


「ドリームリゾートじゃなくて魔物リゾートだな!」


クマは心底面白そうに笑って言うので里桜はパシンとクマの頭を叩く。


確かに、あちこちの人間に小さいのが取り憑いているのが見える。



「私が一気に片付けるから見ていて。」


そう言う里桜を翔が止める間もなく、里桜は自分の中の魔物を引き出した。

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