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「ねぇ、それで…瞳はどうなの?
恋愛はしてきたの?」
そういえば、あまり聞いたことは無かったと思って、この際だから思い切って聞いてみる。
瞳はボーッと前を向いたまま喋りだした。
「…あー…何人か付き合ったけどね。まぁ、結局続かないよね。しかもこっちも長く続ける気はさらさらないし。だから私はさー、もう遊びでしか付き合わない事にしたんだよ〜めんどくさくねーし、後腐れなくていいじゃん?」
その発言には何も言えなくなってしまった。
「誰かを本気で好きになったり、本気で好きにならせたくないんだよ。」
その気持ちはものすごく分かる。
自分が死んだら、相手の人生を変えてしまうし、
相手が死んだら、自分の人生が変わってしまう。
それは本気であればあるほどに。
現実から目を背けたくなったり、やらなきゃならないことがわからなくなったり、本当のことが見えなくなったり。
自分の気持ちも相手の気持ちも、結局は大切にできない状況になりそうな気がして。
でも魔術師同士だったら…
いや…結局同じか。
だって互いの運命なんていつも危険にさらされている。
本気で好きな相手が、突然いなくなった時、
正気でいられる人なんていないだろう。
それでも愛に縋ってしまう私は弱いだけなのかもしれない。
「でもさ、私は応援してるからね?!
あんたたちのことっ!」
突然バシッと瞳に背中を叩かれた。
満面の笑みの彼女がとても大人びていて頼もしく見える。
「ふ…ありがとうっ…」
「つーかあいつらいつ帰ってくんだろ?もう結構人溜まってきてね?」
確かに…
この場所が見つけられるのか不安になってきた。
瞳が電話をかけるが、応答がないらしい。
「きっと今何かに乗ってる最中なんだよ多分」
「だな。にしてもあの元気はどこから来るんだろーね」
特に神塚は…とウンザリ気味に言う瞳。
里桜は確かにと思うが、なんだかいつ見てもあの二人を羨ましく思う。
「でもあの二人って、なんかバランスとれてていいよね。2人でちょうどいい感じになってるっていうか」
「わかる。2人で最強って言われてるわけだしね。でもいずれ、1人で最強になってくんだろーね。」
「…そうだね。そろそろS級魔術師に昇格するだろうね」
そんな2人に負けたくない。
置いていかれたくない。
そういつも強く思っている。
自分の人生を救ってくれた翔にも昴にも瞳にも恩返しがしたいからだ。
だから今は私にできることを精一杯やっていきたい。
3人の役に立てるように。




