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「うし!これで8つは乗ったな!あと1つくらいは乗れそうだ」
「っえ!ちょっと昴〜さすがに私もそろそろ疲れてきたんだけどぉ〜」
もう辺りは真っ暗だ。
あまり休憩を挟まずにアトラクションにばかり連れ回されていたため、さすがに瞳も限界らしい。
「もーだらしねーなマジでこいつら。じゃー瞳は里桜とパレードの場所取りしといてよ。ついでになんか食いもんも買っといて」
よく見ると、もう既に場所取りをしている人たちがちらほら見える。
夜のパレードはすごいらしいし、大好きなお姫様たちも見られるというのだから、絶対に外せないと思って里桜は承諾した。
「おし!じゃー翔とクマ野郎は行くよ!」
「私も行くのか?クマと行ってきなよ、ほら」
そう言って翔はクマを押し付けたのだが、お前は疲れてねーだろとか言われながら無理やり昴に引っ張られて行ってしまった。
里桜と瞳は適当に食べ物を買って、1番前の位置にシートを敷くことができた。
「ふっは〜!ビールあったらめっちゃ最高なんだけどな〜」
ミニーの耳をとりながらドリンクを飲んでいる瞳を見て笑う。
「明日は飲めるんじゃない?シーにならあるらしいし」
「だね。てかさー、あいつらって絶対シーにも行ったことあるよね。ないとか言っておきながらさ。」
その言葉に、暫し考え込む。
確かに、やたらここについても詳しいし、今日も昴と翔でこそこそ何かを喋っているのを何度も見たからなにか隠し事でもあるのかと思っていた。
「ねぇ、別になんだっていいんだけどさ、あの二人って、今まで結構恋人とかいたの?」
里桜の問いかけに、瞳が一瞬目を丸くしたかと思えばふふふっと笑った。
「なぁに、気になる?」
「そりゃ…気になるよ。昔のあの二人のこととか知らないしさ。」
瞳は肉を齧りながら何食わぬ顔で喋り出した。
「んーまぁあのねー、私もそこまで詳しくはないんだけど、別の高校の仲良い女の子同士とあいつらが付き合ってたのは知ってるよー?もちろん魔術師だって隠して。」
「あー…」
棗の言っていたことを思い出す。
今まで家に連れてきた彼女はみんな非魔術師だったと。
「あいつら一応は外見だけでモテるじゃん?だからね、神塚を筆頭に、けっこー遊んでたくさい。」
「・・・」
やっぱりドリームランドデートとかもしていたんだろうか?
まぁでも10代ならばむしろ自然で当たり前だよなと思う。
里桜が黙ったままなので、瞳は急いで言い直す。
「あ、ごめんごめん、体の話とかじゃなくてだよ?フツーに恋愛がしてみたいって言ってて。まぁでも…結局どの子も合わなかったんだろうね。付き合うまでに至らなかったのがほとんどだったっぽい。もしくはそっこー別れてたくさいし」
「…そっか。そうだよね…だって私たちって、普通の高校生じゃないもんね…」
「それな。」
普通の人と、普通の恋愛なんてのはそうそうできそうにない。
だって、いつ死ぬかも分からないし、生活リズムも違うし、学んでいることのなにもかもが違うし…




