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あなたを呼びたい


「昨夜はおっつかれさまーふぇすてぃばるー!

俺との深夜デートを断ってまで里桜と過ごしていたということは!

それなりの収穫があったと期待していたけど!想像以上だったようだなー!この色男!!」


テンション爆上がりの神塚が天馬の肩に腕を回す。

それをうざったそうに払い除けながら天馬は言った。


「深夜デート?語弊がある言い方をするな。

私はいつも昴の深夜徘徊に連れ回されているだけだろう」


「な?!それこそ語弊があるだろ!俺の監視目的でついてきてんだろ!?…あ、いや悪ぃ。俺のことが心配で心配でしょうがないんだよなっ。」


サングラスの間から不気味に細まるオッドアイが見える。

その目が里桜に流れるのがわかり、瞬時に目を逸らした。


すると神塚は里桜の耳に新たに輝くそれを舐めるように見つめ、感嘆する。


「ほおおお〜なんか妬ける〜…妬けるよ翔!

俺にも何か貢いでくれ!貢げ!このっ!」


「っ!やめっ!おいっ」


せっかく綺麗に束ねて纏められている天馬の髪が、神塚によって乱れ始めている。

それを横目で見ながら里桜は頬を膨らめて小篠瞳にコソコソ文句を言う。


「もう!瞳!なんで神塚くんに漏らしちゃうのよ!」


「どーせすぐバレることなんだから、それなら早い方がいいでしょ」


「・・・」


確かにそうかもしれないが、あまりにも早すぎる瞳の行動には驚きが隠せない。

単独任務から帰ってきた神塚がここに入ってくるや否や、これなのだから…


きっと彼女がLINEか電話で知らせたに違いない。


「にしてもっ!よかったじゃあん、里桜。ずーっと大好きだった天馬と両想いになれて」


嬉しそうにコソッと言われたその言葉にはたちまち赤くなってしまう。

それに確かに、認めざるを得ない。


何も返す言葉が見つからずに恥ずかしそうに顔を伏せた里桜に、瞳はクスリと笑ってから言った。


「でも私は気付いてたよ。天馬も結構前から相当あんたに熱上げてたってね。ああ見えてあいつも分かりやすいんだから。」


「っ…ほんとに?」


瞳はニッコリ笑って大きく頷いた。


「むしろ、神塚も私も、あんたたちがいつくっつくのかって、ずーっとイラついてたくらいなんだから。危うくこっちは何か作戦を考えるつもりでいたくらいだよ!」


「えぇ?!」


その言葉にはさすがに目を見開いた。

だからこんなに行動が早かったのか…


未だ何かからかっている神塚と、それを仏頂面であしらっている天馬を見ながら、嬉しさと羞恥の入り交じった笑みを浮かべた。


ガチャ


突然入ってきた鬼頭の姿に、何事も無かったかのように急いで席に着く4人。


鬼頭は流れるように視線を走らせてそれを確認したあと、資料を取り出して口を開いた。



「新しい任務が決まった。今回は単独任務じゃない。4人全員でやってきてもらう。場所は名古屋だから泊まりがけになる可能性が高い」


「え、ま、まじ?」


「大まじだ。」


大まじなんて言葉が鬼頭から出るとは思わず少し噴き出しそうになるが、4人全員が招集されるなんてなかなかに大変な任務なのかもしれないと、皆の表情が変わっていく。


「実はな、鈴谷夢子と風道理玖に行かせた任務なんだが、連絡が途絶えた。まぁ2人のことだから正直言って命の心配は無用だとは思うが、呪いによってどこか特殊な空間に閉じ込められている可能性もあるし…もしくは、」


「なるほどなるほど!2人を助けて、んでそのあとは名古屋観光してもいいと!」


神塚が鬼頭の言葉を遮るのはいつものことだから誰も何も言わない。

それに、せっかく遠出するなら観光したいというのは誰もが今考えている事だった。

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