表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/270

約束は守るためにある

夏休み初日。


まずはさっそく翔の実家へ行くことになった。

もちろんクマも一緒に。


翔の家族は皆、非魔術師のらしい。

うちの魔術高校にもスカウトで入ったと言っていた。




「ねぇ、翔の家族は甘いものが好きかな?」



何かお土産を買っていきたくて、とりあえず途中駅の新宿に降りた。

久しぶりに新宿へ来たがかなりの人混みだ。

クマが迷子にならないように、翔の荷物に押し込んだ結果、顔だけ出す形となっているクマがなんとも滑稽だ。



「んー、好きだったと思うよ、確か。

昴ほどじゃないと思うけど。」


「…確かって…自分の家族のことなのにわからないの?」


「あまり興味がないんだよ。それに、帰るのも久しぶりだ。」


「え、どのくらいぶり?」


「前回の夏休みぶり。」


その言葉に驚嘆した。

1年も会っていないということじゃないか。

これが、普通?なのか?



「はっ、随分と親不孝な奴だなロン毛野郎。」


「君に言われたくはないよクマ助。」



クマは翔のバッグから顔だけ出してキョロキョロしている。

初めて来る新宿が新鮮なのだろう。


「おっ!あれが食いたい!なぁ里桜あれだ!」


クマの視線の先にはオシャレなドーナツ屋さんがあった。

看板を見て目を輝かせ始めた。


「あー、あれ最近話題のやつかぁ…

確か悟が食べたいって連呼してたやつだな…」


翔が興味なさげにそう呟いた。



話題のやつ?…つまり流行りのお菓子!


ならばそれをお土産にしようと思い立った里桜はすぐに歩みを進めた。


「並んでない今のうちに早くっ!」



翔はよろめきながら腕を引かれ、

ずんずん進んでいく彼女の後ろ姿につい顔が綻んだ。



「えーと、とりあえず…このセットを1箱お願いします。

…で…あと…クマは何がいいの?」


コソコソとクマに耳打ちをする。


「おいらこれぇ〜」


顎で指したそれはピンク色があしらわれた可愛らしいドーナツだ。

いちごミルクが好きなクマらしいチョイスに少し笑ってしまう。


店員はクマのぬいぐるみとコソコソ喋っている目の前の客に目を見開いている。


「ねぇ、それで、翔の妹さんは何がいいと思う?」


翔には中学一年生の妹がいるらしい。

というのは今日初めて知ったのだ。


「さぁね…クマと一緒でいいんじゃない。

確かピンクが好きだったような気も…しなくもないし」


「・・・」


女の子は全員ピンクが好きとでも思っているんだろうか?

本当にどうでもよさそうな口ぶりに少々イラッとする。

とりあえずそれらを適当に選んで購入した。




「あ〜なんだか緊張してきたよぉ〜

ご両親とか妹さんに嫌われたらどうしよ〜」


「大丈夫だ。それはない。」


即答する翔に疑問符が浮かぶ。


「なんでそう言いきれるの?」


「だって里桜は愛想があるし、昴みたいな愛想の振り撒き方をする奴でも相当気に入ってるくらいなんだから」


昴は天馬一家に気に入られているのかぁ〜

きっと初めから馴れ馴れしくタメ口を使ってたんだろうなぁ。


そんな状況を想像すると、自然と緊張感が和らいだ。

とりあえず昴ほどにはしないが、きちんと明るく愛想よくしようと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ