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3

「ダメだよ待って!闇雲にやると子供が巻き込まれる!」


「あ?死にはしねーだろ。」


「怪我を負わせてしまうのも絶対だめ!」


「はっ、甘いな里桜。

そもそもこの場合、多少の犠牲はやむを得ん。」


しかし言い合いをしている余裕はない。

里桜は魔物を引きつけるためにわざと挑発するような攻撃を仕掛け始めた。


魔物と里桜の2つの攻撃が火花を散らしながらクマに飛んでくるが、クマはそれを欠伸をしながらいとも簡単に交わしている。


「クマっ!早くあの子たちにバリアをっ」


「もうやってるよ」


「じゃあ早く安全な場所へっ!…うぅっ!!」


「里桜?!」


やはりA級魔物にはなかなか思うようにいかず、みぞおちに攻撃が当たり、里桜がよろめいた。


そのとき、


「お〜また〜ん!

ちっさいのぜーんぶ片付けてきたよん!

あれぇ?!やっぱA級ここにいたの〜?!」


「いいからてめぇはとっととそいつを払えよ!」


クマによって子供たちは守られている。

それを確認したあと、昴はサングラスを取り六眼を発動させた。


「んんー。本体はまだいるね…そっちか…」


そう前を向いて呟いたまま、手を横に翳した。

ガラス窓が割れ、横から出てきた新たな魔物をそのまま手で払い除ける。


しかし、もう一体と応戦している里桜の方へその残骸が向かっていった。



それに気づいた里桜はなんとかそちらにも攻撃を命中させたのだが、先程のみぞおちの痛みと、今の衝撃で掠った傷の痛みで顔を歪めた。


「っぐ……」


よろけた里桜に迫った魔物を昴が消そうとした時だった。


「…っ……?!」


里桜の中から一体の魔物が出てきた。

大きなコウモリのような羽を持った魔物だ。


俯いていた里桜が顔を上げ、カッと目を見開いた瞬間、そのおどろおどろしいコウモリ魔物は、目の前の魔物を1発の攻撃で払ってしまった。



「… 里桜…まさか…」


「あぁ。天馬翔の魔術だな。」


昴の言葉にクマが冷静に声を被せた。


「…マジかよ…あの日、飲み込んだってヤツか?」


前に翔と里桜が任務へ行った際に、翔が飲み込もうとしていたのを無理矢理、里桜が飲んでしまったと言っていた、あれかもしれない。

いや、間違いなくそうだろう。




何事も無かったかのように静まり返り、普通のビルの一室になったこの空間。

昴は考えるのは後にしようと思って里桜に肩を貸し立ち上がらせ、あえて明るく言った。


「へいき〜?帰ってスマブラできそー?」


「うん…多分余裕でできるよ。はは…」


里桜は笑いながらみぞおちを手で押さえ、手の甲の傷にハンカチを巻きつけた。


「あ〜よかったぁ〜みんな無事で!」


子供たちには傷一つない。

しかし、完全に怯えきってしまっていて、顔を強ばらせている。

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