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7

目覚めた瞬間、唖然とする。


目の前で目を閉じて眠っているのはどう見ても翔の顔だ。

悟の部屋にいたはずじゃ…?


懸命に思考を動かしながら上半身を起こすと、やはりここは翔の部屋だと認識できた。



「よぉ、起きたかー?」


突然の声に、ビクッと肩を震わせ視線を走らせると、椅子に座って何かを書いているクマがいる。



「く、クマ…え?どうなっちゃってるの?」


「いつのまにかグラサン野郎の部屋で寝ちまってた。んで翔がここに運んだ。ちなみに今は5時。」


「っ!まだそんな時間っ…

クマはいつから起きてたの?」


するとクマはククククと笑った。


「ずーっと前から。里桜とアイツがイチャついてたところらへんから」


その言葉で里桜は一気に記憶を戻した。

心臓がバクバク波打ち思わず翔を見る。

彼はすやすやと寝息を立てていてホッと胸を撫で下ろした。


ゆっくりとベッドから這い出てクマの元へ行く。


「お願いクマ。イチャついてたわけじゃないけどさ、翔には黙ってて…」


声を殺してコソコソ言うと、クマは呆れ声を出した。


「は、なんでや」


「ななんでもだよっ!

ね?またいちごミルク買ってあげるからっ」


「その条件はもう翔と交わしてるから却下〜。

そんなにいちごミルク飲めねーし〜」


「えっええっ?なにそれ、なんの約束したの?」


「それは秘密」


「なんでよ気になるじゃん!」


「じゃーおいらも里桜の情報をバラしてもいいってのか?」


「……うう……」


何も言えなくなった里桜にフンと鼻を鳴らしてから、クマはまた机に向かってペンを走らせ始めた。



「…さっきから何を書いてるの?」


「んー…お前らの絵〜」


「えぇ?!」


「デケェ声出すなや朝っぱらから」


「ごめっ…」


急いで自分の口を両手で覆い、クマが書いているものを覗き込む。


「え…っ。うそ…でしょ…」



クマは絵まで上手なのか…?!

まさしく天才だと思ってしまった。


脳内にコピー能力があるからだろうか。

そこにあるのはなんと、

里桜と翔が向き合って眠っている顔。



「お前ら寝てる間、暇だったから描いてた」


里桜は息を飲んで目を見張った。

そこに描かれている自分たちは、なんとも幸せそうな寝顔で、本物が飛び出てきそうなくらいにリアルで精巧なデッサンだ。


「や、やばすぎ…」


「こんなのマジで朝飯前」


サラサラとあっという間に描き終わり、

ほらよ。と言って渡された。


「わぁ〜っ。ありがとう〜!」


目を輝かせてそれを手に取り喜ぶ里桜はもう、先程の会話や昨夜のことなど頭から離れてしまっていた。



ゆっくりと翔の前に行き、絵をかざして見比べてみる。


「やっぱめちゃくちゃ似てるよ〜

てゆーか、まんま翔だよこれっ。」


なるべく静かな声でコソコソと言う。

クマはどうだと言わんばかりに鼻を鳴らした。

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