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目覚めた瞬間、唖然とする。
目の前で目を閉じて眠っているのはどう見ても翔の顔だ。
悟の部屋にいたはずじゃ…?
懸命に思考を動かしながら上半身を起こすと、やはりここは翔の部屋だと認識できた。
「よぉ、起きたかー?」
突然の声に、ビクッと肩を震わせ視線を走らせると、椅子に座って何かを書いているクマがいる。
「く、クマ…え?どうなっちゃってるの?」
「いつのまにかグラサン野郎の部屋で寝ちまってた。んで翔がここに運んだ。ちなみに今は5時。」
「っ!まだそんな時間っ…
クマはいつから起きてたの?」
するとクマはククククと笑った。
「ずーっと前から。里桜とアイツがイチャついてたところらへんから」
その言葉で里桜は一気に記憶を戻した。
心臓がバクバク波打ち思わず翔を見る。
彼はすやすやと寝息を立てていてホッと胸を撫で下ろした。
ゆっくりとベッドから這い出てクマの元へ行く。
「お願いクマ。イチャついてたわけじゃないけどさ、翔には黙ってて…」
声を殺してコソコソ言うと、クマは呆れ声を出した。
「は、なんでや」
「ななんでもだよっ!
ね?またいちごミルク買ってあげるからっ」
「その条件はもう翔と交わしてるから却下〜。
そんなにいちごミルク飲めねーし〜」
「えっええっ?なにそれ、なんの約束したの?」
「それは秘密」
「なんでよ気になるじゃん!」
「じゃーおいらも里桜の情報をバラしてもいいってのか?」
「……うう……」
何も言えなくなった里桜にフンと鼻を鳴らしてから、クマはまた机に向かってペンを走らせ始めた。
「…さっきから何を書いてるの?」
「んー…お前らの絵〜」
「えぇ?!」
「デケェ声出すなや朝っぱらから」
「ごめっ…」
急いで自分の口を両手で覆い、クマが書いているものを覗き込む。
「え…っ。うそ…でしょ…」
クマは絵まで上手なのか…?!
まさしく天才だと思ってしまった。
脳内にコピー能力があるからだろうか。
そこにあるのはなんと、
里桜と翔が向き合って眠っている顔。
「お前ら寝てる間、暇だったから描いてた」
里桜は息を飲んで目を見張った。
そこに描かれている自分たちは、なんとも幸せそうな寝顔で、本物が飛び出てきそうなくらいにリアルで精巧なデッサンだ。
「や、やばすぎ…」
「こんなのマジで朝飯前」
サラサラとあっという間に描き終わり、
ほらよ。と言って渡された。
「わぁ〜っ。ありがとう〜!」
目を輝かせてそれを手に取り喜ぶ里桜はもう、先程の会話や昨夜のことなど頭から離れてしまっていた。
ゆっくりと翔の前に行き、絵をかざして見比べてみる。
「やっぱめちゃくちゃ似てるよ〜
てゆーか、まんま翔だよこれっ。」
なるべく静かな声でコソコソと言う。
クマはどうだと言わんばかりに鼻を鳴らした。




