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「私のことを姉様〜とかママ〜とか呼んでくれるような性分だったらもう最っ高に完璧なのになぁ〜…」


そう呟きながら、まだ昴と激しく口喧嘩しているクマをおもむろに抱き上げる。


「離せぃっ!こらっ!まだあの白髪頭に言いてぇことがっ」


「ダメだよ、クマ。鬼頭先生のとこ行かないと」


「私も行くよ、里桜。」


翔も横に並んで歩みを進める。


昴はクマにべーっと舌を出した。


「今度森のくまさんって歌教えてあげるよ〜!お前のその小さい脳みそにしっかり叩き込んで可愛いクマ目指しな!」


「てめぇ覚えとけよ!クソメガネバカ!こっちがてめぇを躾直ししてやるわ!」


里桜も翔も呆れて何も言えなくなっていた。




そして鬼頭にたどたどしく正直に経緯を報告する。


なんだか妊娠報告をしているみたいで妙な緊張感に包まれ里桜は顔が熱くなっていた。



「うーむ…なるほどな。まぁだとしてもこのクマの性分は、お前たちに似たとかそういうんではないはずだから安心しろ。」


2人の不安そうな表情を見て心中を察しそう言った。

よく親にありがちな、この子はどちらに似たの!なんて口喧嘩をしてほしくない。


そして恐らくこのクマはタヌキと生まれ方が違うため、突然変異傀儡と言うのは少し違うだろう。

2人の違った質の呪力や別の何かがうまいこと混ざりあってできたのなら突然変異というよりもむしろもっと珍しい存在な気がする。


「あのっ、タヌキくんに会わせてもいいですか?」


「ん、ああ、そうだったな。」


考えていくのはこれからにしようと思い、鬼頭はタヌキのいる部屋へ案内した。



「なにこいつ?変なクマ。」


「・・・」


こうなることは分かってはいた。

しかし少しでも仲良くなってほしいと思い、里桜はその場にクマをおろした。


「…誰すか?この汚い色の生物は?」


タヌキのその言葉に、クマは完全にキレたようだ。


「ああん?!てめぇも変わらねぇだろうが!」


「ボクは可愛らしいタヌキです。で、なんなのです君は?」


いきり立っているクマを持ち上げながら里桜は懇願するように言った。


「タヌキくん、あのね、この子とお友だちになってほしいんだ。名前は…クマ!」


「クマ……わかりました。お友だちになってあげます」


「ありがとう!!」

「はっ、えっらそーに!」

「こらー!クマ!!」


タヌキくんはとても素直でいい子だなと思った。


翔は初めて見るタヌキに目を見開いて観察するようにしきりに眺めている。


「んん…鬼頭先生?このタヌキはまだ子供のようですが成長過程があるということですか?」


タヌキはどう見てもまだ子供だし、声や言葉遣い、そしておもちゃ遊びをしているところなんかを見ると、赤ん坊のようだ。


「そうなんだよ、翔。気が付いたか?

クマの方の精神は初めから成長しきっていてその概念は無さそうだ。しかし体に関してはまだわからないな。タヌキと同じように成長していくかもしれん。」



なるほど…

確かにクマが赤ん坊だったとしたらこんなに流暢に口悪くペラペラ喋らないだろう。

成長という概念はないかもしない。



「ところでクマもこの部屋で過ごさせるか?」


気を遣って言ってくれた鬼頭に里桜は首を振った。


「ひとまずは私の部屋で大丈夫です。いいよね、クマ?」


「おう、この白黒と同じ空間はごめんだね」


どこまでも性の悪いクマに3人はため息しか出なかった。

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