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「はっ、何そのクマ?そんな趣味あったの?鬼頭の真似?」


次の日から肌身離さず抱えているテディーベアを見て昴が心底おかしそうに笑った。


そこで里桜はきちんと説明をした。


「…ってわけだから、皆も協力頼むね!」


「それで、そのかわいいぬいぐるみの名前は?」


翔の問いに、里桜はにっこり笑って言った。


「クマだよ!」


「…え?」


「鬼頭先生も、タヌキくんをタヌキと名付けてたし、私もクマでいいかなって。」


その発言にさすがに昴は噴き出した。


「なんだよそれ!ウケる!鬼頭も里桜もそのセンスはどーかしてるね!っはーマジやべえ笑いとまんねーわ!」



翔まで釣られて肩を震わせている。



里桜はそんな昴を睨み上げながらギュッとクマを抱き締めた。


「ならセンスある名前でも思いつくわけ?!」


「あぁ、プーさんでよくね?てぃーでぃーえる連れてって本物のプーさんに会わせてあげれば?それかプーさんに名前付けてもらう?はははは!」


バカにしたように腹を抱えて笑っている昴は無視することにした。



それからというもの、昴を見返すためにも里桜は死に物狂いで鬼頭の本を読み込み、様々な工夫を凝らしてクマに呪力を流し込んでいた。


たまに翔にも呪力を流してもらったり、普段彼がどんな風に呪霊を操っているのかなどを聞き勉強した。


そして1ヶ月後の夜、里桜は翔と寝るために一緒に布団に入っていた。


自分と翔の間にはクマを挟んでいる。


こうしていると、なんだか2人の子供みたいだと思って笑みがこぼれた。



「プーさ…じゃなくてクマはもう普通の呪骸としては完成してるんだよな?」


「ちょっと!翔までプーさんとか呼ばないでよ」


「はは、ごめん。昴がいつもプーさんと呼ぶからつい…」


そう言って翔が笑いをこらえているのがわかり、里桜は もうと言いながら返した。


「うん、指示出せば動くよ。でもあとちょっとな感じするんだよね、あと少しで…命が吹き込まれそうな気がする…」


本当にそんな気がするのだ。

鬼頭の言っていたように、自分の先天的な能力が、呪骸呪術学の勉強を重ねるに連れて開花していっている気がしていた。



「だといいね。そしたら悟みたいな性格にならないようにしつけないとね。」


その言葉に里桜は笑った。


「ホントだよね、そしたら翔も厳しく教育してね!」


「ふ…わかった。本当にそうなったら私たちの子供みたいだな」


その言葉は里桜の胸をときめかせた。

あまりに幸せな感覚に包まれる。

弟みたいにしようと思っていたのだが、我が子のような存在になるだろうと思った。

そうなったら本気で幸せだ。




「私、今夜はその祈りと呪力を流しながら眠るね」


里桜がそう言うと、翔は間に挟んでいるクマと共にギュッと里桜を包み込んだ。


「なら私も精一杯そうしてみるよ…」


翔は本当にどこまでも優しいな…

そんな彼に愛されている私は幸せだ。


そう思い、目頭が熱くなりながら翔にキスをした。

そのまま互いに深く貪り合うようなキスをしたあと、クマごと強く抱き合って眠った。


2つの唇が寄せられているクマは、この時、2つの違った質の呪力が微量に流れ込み続けていた。

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