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10

他にも、食べ物や建物の写メを見せてもらった。

どれもが目を奪われるほどまさに夢の国といった感じで見ているだけで楽しい。

里桜の頭の中はもうドリームランドのことでいっぱいになっていた。



「おいー!てぃーでぃーえるって酒あんのか?!」


酒臭い息を吐きながら横から瞳が写メを見て言った。


「ないね。ランドじゃなくてスカイの方にならあるよ。

ドリームスカイになら。」


翔の言葉に、瞳は即答する。


「ならシーにする!いいね?これは決定事項だ!」



「…どうする里桜?

提案したのは里桜だから決定権は君にあるよ」



サラッと受け流す翔に苦笑いしながら

里桜は言った。


「私どっちでもいいよ?ていうか、実はランドの方は私も1か月前くらいに任務でチラっとだけ入ったの。ホント入口付近だけなんだけど。」


「え?そうだったのか?」


「うん。理玖さんと、弟の羽実くんと。」


「えぇっ?!あのガキも一緒に?!」


昴が目を丸くした。


「うん。まだ5歳だけどほんっと賢くて可愛い子だよね〜

理玖さんのこと、姉様とか呼んでてとてもお利口で…あ〜私も弟欲しかったなぁなんて思ったよ!」


「あのクソガキやべぇだろ!生意気にもほどがある!」


里桜は思い出してまた笑った。

確かにあの時、

"今日は神塚昴がいなくて助かりましたね姉様!"なんて言っていたっけな…

あんな幼い頃から魔術師見習いしていたらきっと未来は凄い魔術使いになっているだろう。


とにかくあの時、この夢の空間でいつか絶対遊んでみたいと思っていた。

好きな人が一緒ならば完全に夢見心地だろう。


「じゃあどうする?里桜がいいならスカイの方にする?」


翔はとにかく里桜を優先したいようだ。

そこで昴が声を上げた。


「どっちもだ!ランドにもスカイにも行く!」


「え、どっちも?」


「泊まりがけ旅行でな!

おし!決定!!よかったな瞳!酒飲めるぞ!」


「おぅーよらったよらった…」


瞳は既に目を虚ろにしている。

いつもの有無を言わさぬ昴によってそうなったはいいが、瞳が話を把握できているのか心配になってきた。


「今日はもう遅いし、また後日細かいことは決めよ?

私、瞳を部屋に連れてくね」


「じゃー俺もそろそろおいとましますわ」


昴はゲームを片付け始め、翔は酒やら菓子やらをやれやれと言った顔で片付けはじめた。



「瞳!瞳!立てる?ほら行くよ!」


瞳の腕を肩にかけようとした時、翔が耳元でコソッと囁いた。


「酔っぱらいを置いたらまたこっち来てよ?」


里桜はドクンと波打つ鼓動に気付かれないように目を合わせずコクンと小さく頷いて微笑んだ。




2人が出ていってから、昴はゲーム機をまとめて立ち上がる。


「楽しみだな翔〜!今回は俺と2人きりのデートじゃないからテンション上がるだろ!」


「あぁ。そうだね。」


ゴミを入れた袋を縛りながら冷静沈着な態度の翔。

その首筋の痣を見ながら昴は音を立てずに笑った。


「前〜に俺らがダブルデートで行ったことは黙ったままでいいのー?」


その言葉に翔の動きがピクリと止まる。


「…言う必要はないだろう?」


「ふふふっ!ならバレねーようにしろよ?俺は別にバレても全然構わないけどね!」


「・・・」


目線だけ動かし睨みあげてくる翔に昴はニッコリ笑った。


「大丈夫大丈夫!俺もちゃんと黙ってる!ホテルも違う所をとるね?」


「ああ。頼むよ、昴くん」


「任せてよ、翔くんっ」



昴が笑って踵を返そうとした時、



「…ところで昴くん?」


翔は冷淡な口調になって顔を上げ、目を細めた。


「人のテレビに呪力を流すのはやめてくれないか?」



昴はサングラスを取って碧い瞳で真っ直ぐ見つめ弧を描く。


「…また被害妄想ですかな、翔くん?」



翔はふーっと息を吐いてゴミの入った袋を昴に押付けた。



「ゲームだけじゃなくてこれも持ってってくれ。」


「へいへい。」

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