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昴と並んで夜道を歩く。
夜なのに相変わらず昴はサングラスをしていて背も高いので未成年とは気付かれにくいだろうと思った。
「今日は星も月も綺麗だなぁ〜」
里桜がそう言って空を見上げたので、釣られて昴も空を見上げる。
夜空を見上げたのなんてどれぐらいぶりだろう。
「里桜って意外とロマンチスト?」
「はは…そうじゃなくって、単に夜空が綺麗だと気付いたのって最近だから。」
昴は里桜に視線を移す。
月の光に照らされると、耳に輝くピアスたちが眩しいくらいにキラキラと光っていて目を細める。
そこには翔があげたルビーもこちらに光を刺してくる。
「それを気付かせてくれたのは翔だって言いたいんだろ?」
「もちろんそうだよ?」
夜空からパッと視線を移してこちらを見る里桜はどこか照れたような笑みを浮かべている。
「…ちょっと聞きたいんだけど、あいつのどんなとこがいいの?」
「…えっ?」
突拍子のない質問に、里桜は一瞬目を見開いたかと思えばまた先程のような笑みを浮かべて眉をひそめだした。
「そうだなぁ…私のことをちゃんと見ていてくれてるところ。考えてくれてるところ。そもそも翔はさ、私の命の恩人だし、人生を切り開いてくれた人なんだよ。私にとっては神様そのものって感じで…うーん…なんだかうまく言えないや…」
ははっ…と笑う里桜を昴は訝しげに見る。
「なぁ里桜、それってさ…なんか好きとは違くねぇ?」
「…はい?」
そんなふうに返されるとは思ってなかったので驚きの表情で昴を見つめる。
歩みは進めたまま、昴は前を向いて冷淡な声を出した。
「それってさー、なんか恋愛的な感情じゃなくて、酔狂的な感情なんじゃね?」
「・・・え、なにそれ。意味わかんないんだけど。
ほとんど一目惚れだし、好きで、一緒にいたい、触れたいとか、そんなふうにいつも思ってるんだから普通の恋でしょ。」
「あいつに最初から心を奪われて、それが里桜の人生の中心事になってるだろ?逆にそれは、道を見失ってるも同然だ」
珍しく真剣に強くそう言われ、口を噤んで足元を見る。
夜ってこんなに静かだったっけ、と思うほど、2人とも黙ると静寂に包まれた。
「…翔が白と言えば白だし、黒と言えば黒だろ?YESと言えばYES、NOと言えばNO。こっちの道だと言われれば迷わずついていくだろ。
なぁ…俺が言いたいこと分かるだろ?」
「…や、まぁ、分からなくはないけど。確かに私はずっと翔の隣にいたいし、なにがあってもついていきたいと思ってるよ。愛してるからね」
里桜もあえて強く言い返した。
そしてこれはもちろん素直な本心だ。
「そう、つまりはそういうことを言ってる。どんどん道が逸れて、依存していってるように見えるんだよ。」
「何が言いたいの?私が翔に騙されてるとかそーゆーこと言いたいの?それとも私の恋情自体が間違いとか?そういうこと?」
「違う。俺は単純に、ただ…」




