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「ちょっとタンマ!こっからはガチで勝負しねぇ?」
昴が突然そう切り出した。
「ならせっかくだし、何か賭ける?」
賭け事に持ち込むなんてなんだか瞳らしいなと思って里桜は笑う。
「だったら、負けたヤツはコンビニ行って菓子買ってきてもらう!そろそろ甘いもん欲しくなってたんだ」
「いーね!私も酒飲みたいわ」
結局、昴と瞳に有無を言わせぬ態度で主導権を持ってかれていた。
そうしてまた戦闘が開始された。
今度は物凄く真剣な4人に戻っている。
先に負けてしまったのは里桜と瞳だった。
「やっぱ強いなー2人とも。」
昴も翔も一切手抜きをしていない。
2人とも呼吸すら忘れているかのような凄まじい気迫だ。
それなのに画面にあるのは可愛らしいピチューとしずえさんなのでそのギャップにはなんとも言えない。
なかなか勝負がつかないようだ。
「ていうか…先に負けたのは私だから今のうちにコンビニ行ってくるよ」
「待てっ」
里桜の言葉に、昴はゲームを一時停止した。
「女1人でこの時間は危ねぇだろどう考えても。」
「じゃあ私も行くよ」
瞳がそう言ったが、翔も口を開いた。
「女性2人というのも変わらず危険だ。」
「その通り。だから今から俺と翔の勝負で勝った方が買い物についてく。」
え、なんで勝った方なの?
普通負けた方じゃない?
と里桜は言おうとしたのだが、すでに戦闘が開始されていた。
「なんか…全然決着つかないね?…」
息を飲むほどの真剣勝負に、里桜はこそこそと瞳に耳打ちする。
「2人ともそこまで里桜とコンビニ行きたいってことね…」
「え…そゆこと…?いや、単にお互い負けたくないだけだよね?」
「さぁねー、なんでもいいから早くしてくれないかな…」
なかなか決まらない目の前の2人はまるで命を懸けて呪霊と戦っているときよりもむしろ本気に見える。
一瞬足りとも目を離さずカッと開いた眼光から凄まじいオーラが出ているかのよう。
「くっそ…しずえめー!」
「そろそろ決まりそうだな、昴」
いつの間にか、昴の扱うピチューのボルテージはもうギリギリだ。
翔は勝ったも同然というように余裕な笑みを見せ始めた。
「あと1発で終わるね、早く決めてよ天馬〜
こっちはもう飲みてーんだよー酒酒〜」
瞳はとっくに飽き飽きしている。
「チッ、こーなったらもう逃げるしか手段はねぇ!やれるもんならやってみろよしずえ!」
「ピチューは確かネズミだよな。犬から逃げ切れるのか見ものだな…」
しずえさんはさぞ面白そうにピチューを追いかけ回しはじめた。
そのとき…
ビリビリ…
「えっ…!こしょおおおおー?このタイミングでぇ?!
ちょっと直してよ翔!」
「んー?何が起きたんだろう?
もう少しでスッキリできたのになー…」
突然ビリビリとしだしたテレビ画面。
翔は即座にゲーム機やテレビを弄り出した。
「しゃーない。こうなったら俺が里桜とコンビニ行ってくるわ!」
「なに?私が勝ったも同然だったじゃないか」
「でも翔の方がそういうの弄るの得意だし、そもそもここ翔の部屋なんだからいいだろ」
翔は一瞬何か考える素振りをしたが、意外にも普通の笑みを浮かべすんなり承諾した。
「なるほど。じゃ行ってらっしゃい。私は炭酸で」
「私はビールね〜よろしく〜」
「里桜、未成年とはバレないような格好で行きなよ。Tシャツとか良いんじゃないか?」
翔はそう言いながら里桜を見たあと、またテレビを弄り出した。
「あ、そっか。瞳の酒買わなきゃだもんね…」
今は夏だ。
そして、風呂上がりで寝巻き姿。
とりあえず部屋に戻ってなるべく年齢が分からないようなTシャツを着てジーンズ素材の短パンを履いた。




