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翔の部屋をノックすると、やはり部屋にいたようですぐにドアが開き、瞬時に腕を引かれ部屋に引き込まれた。
ギュッと抱き締められ、背中をさすられる。
全てが一瞬のことすぎて唖然としていると、小さな声が耳元で聞こえた。
「…体調とか、ホントに大丈夫か?」
魔物を飲んだことを未だ気にしているようだ。
「あぁ、大丈夫って言ったじゃんー!ホントに大丈夫なの!」
明るく言うと、腰を引き寄せられて顎を掴まれる。
目と鼻の先で、真剣な瞳でジィっと見つめられるので、跳ねる鼓動を誤魔化すように笑った。
「けっこー心配性だよねぇ」
「…本来たいして心配性ではないんだが。
君のこととなるとね…」
視線が首筋に注がれるのがわかる。
翔は痣を見たあとフッと笑った。
「ちょっと薄くなってきたね。付け直していいかい?」
「えぇっ!ちょっと待って待って!」
そんな声は無視して抱えあげられ、ベッドに押し倒された。
言葉を発しようと口を開くも瞬時に塞がれ、舌が割り込んでくる。
「んんっ!…んー…っ!」
抵抗する両手は頭上で一纏めにされ、もう片手で顔を固定するように顎を掴まれ、逃げ惑う舌を追いかけれるように絡ませられた。
何度も角度を変えて口内を蹂躙されているうちに徐々に力が抜けてしまい、甘ったるい吐息しか漏れなくなってきてしまった。
「んっは…はぁ…はぁ…」
「ははっ、やっぱりこの顔好きだな…」
艶めかしく濡れた口元のまま里桜の頬を手の甲で撫でる。
「すぐっ…る…やっぱりキスマークは…だめ…」
息絶え絶えにそう言う里桜にいたずらっぽく笑って翔が言い返す。
「ん?なぜー?」
「だ、だって…皆気付いてて恥ずかしいよ…あ、矢作くんだけは違ったけど…さ…」
「…矢作…はははは。さすがだな彼は。」
「…っ、とっとにかく」
「なら誰も気が付かない場所ならいい?よな…」
「・・・」
そう言って愛おしそうに首筋の痣を見つめた後、言葉を探して視線を泳がせている里桜を無視して服のボタンを開け始めた。
「っ!…」
顔を埋められたかと思えば、チリッとした僅かな痛みを感じ、胸の上あたりに吸いつかれたのだとわかる。
顔を上げた翔は満足そうに里桜を見下ろし頭を撫でた。
「ん。よし。」
「よ、よしって…これってそんなに重要?」
「あぁ。重要。本当なら見えるところに付けないとだけどね…」
里桜は起き上がると、一気に翔を押し倒した。
「っ!…驚いたな、そんな力あった?」
翔は目を丸くするが、里桜はどこか悔しそうな顔で見下ろしている。
「そんな重要なら…私もつけていいよね?」
翔の胸元の襟をギュッと掴みながらそう小さく言う里桜に翔は微笑みかける。




