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6


しばらく走ったところで突然一緒に瞬間移動させられ、気がつくと先程の公園に戻っていた。


驚いた表情をしている里桜の顔を覗き込み、昴はニヤリと白い歯を見せた。



「マジ、隙見せすぎ。ウケる。」



里桜は険しい表情に変わる。



「どいて…」


「追いかけっこはもう終わりだよ、里桜姫様。

大人しく捕まったらどうー?」


「……1人になりたいの。今は。」


「1人になって、どうすんの?」


「・・・」



また歩みを進めるの腕を掴むと、グッと引き寄せて顔を近づけ、真剣に言った。



「僕に許可なく死のうとしてるなら…殺すよ」



「………殺せばいいじゃん。

翔を殺した時みたいに……」



「・・・」



「・・・」




昴は腕を離した。




「怒ってんの?」


「…別に…怒ってない」


「怒ってるじゃん」


「怒って…ないよ…」



沈黙が流れ、その静寂さは残酷なくらいに頭の中を冷静にした。


私…さっきなんて言った?





"………殺せばいいじゃん。

翔を殺した時みたいに……"





なんてことを言ったんだろう…私は…


よろよろとベンチに座ると、隣に昴も腰掛けた。



先に口を開いたのは昴だった。




「こんなこと言うのも、あれだけどさ…

言っていい?」



「……なに?」


里桜は遠くの空をボーッと見つめた。

もうかなり暗い。

薄らと星が出始めている。



「あのね…僕ね……

やっぱ… 里桜が生きててくれて、

泣くほど嬉しい」



「……泣いてないじゃん…」



「…泣いてるよ……

グラサンで見えてないだけじゃん」



そのサングラスは一般的な普通のサングラスではなく、自分の繊細すぎるオッドアイを守るためにかなり強力な魔力が込められている。

そのため、外部から見れば全く何も見えないただ闇のような黒だ。


里桜は昴の方を向くと、サングラスに手を伸ばした。

けれど、それを外した先を想像すると、なんとなく手は宙を彷徨い、そしてまた引っ込めてしまった。



「あれぇ?…外さないの?」


「・・・目を隠してるなんて…ズルいよ…」


昴がどんな表情なのかがわからない。

けれど、声色はとても静かで全く力が篭ってない。



「僕のこと、殴っていいよ」


「は?」


「翔を殺したこと怒ってんならさ、好きなだけ僕のこと痛めつけていいよって言ってんの。気が済むまでボコりなよ。」



里桜は目を見開いたまま昴を見る。

目が合っているのかすら分からないが、合っている気がした。

しかも、笑みを浮かべているような気さえする。



「だから私、別に怒ってないって…」


「いや分かるんだ。それに、怒るのは当然だ。僕だって自分で自分にめちゃめちゃキレてる。」


「……なんでそんなに面白そうに言うの?」


そういう所が気に食わない。

何も笑えないタイミングで笑ってたりするところ。


里桜は眉間に皺を寄せたまま拳を震わせる。


ここで殴ったりしたら…どうなるだろう?


私はやっぱり、翔を殺したことを恨んでいるんだろうか?



「……早くやって、里桜。

僕が代わりにやってやりたいのは山々なんだけど、自分に対してとか上手くできないからさ〜。がやってくんないと。」

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