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翔はもう…この世に…いない?



そんな……


また会えると思ってた…

また話せると…

前みたいに戻れると…


正直、そんな淡い期待をしていた…



処刑対象だったのは知ってる。


それでも…

ずっと捜していた…

大好きだった翔のことを…




嫌だ…


受け止めきれないよこんなのっ……



ショックのあまり、

里桜は涙すら流せなかった。






昴はその様子を見ながら、

意を決して言った。



あの日のことを。

翔がやってきたことや語っていたそのことについても全て。




「…止められなかった。

結局…最期まで…」




里桜は呼吸が苦しくなっていた。



そして思い出す。


昔…ドリームのホテルで彼が言っていた言葉を。



"里桜…君が一生幸せな人生を送れるように…それだけを考えるようにする…それだけを誓うよ…"




目を見開いて固まったままの里桜にもう一度言う。



「ごめんな…」



「な…んで…謝るの…」


「・・・」



里桜はギュッと目を瞑り、

拳を握って必死に感情を押し殺した。


どうにも実感が湧かない…


自分に言い聞かせるようにしてなんとか言葉を絞り出す。


「仕方の…無いこと…だよ……」



震えているその言葉に、昴は何も言えなくなった。




「でも…そんなこと…って…」


里桜はずっと俯いている。



クマも昴も声を発さずに考え込む。


恐らくだが……



里桜が天馬翔を愛しすぎていて依存しており、それが呪いの魔力となっていたはずが、実は翔のほうが里桜を呪っていた…?


翔に初めて会った時、"行こう、君が君でいられる場所へ"と言って里桜を連れた瞬間から、実は翔の方が"縛り"のような呪いとなっていて、それに従いみるみる愛と依存に陥っていた里桜自身と主従関係になっていた…?




「…だとしても…おかしいか。

だってあの時、里桜は…」



確かにあの時、里桜は跡形もなく消えた。

痕跡すら残らなかった…



「…そうだよ、…違う。」



突然里桜は否定した。



「翔を呪っていたのは…私。」


「…だとしても、」


「私はあの時…魔物にやられる寸前に…

ルビーを…取ったの…」


「「!?」」



そうだ、気が付かなかった。

里桜はルビーのピアスをしていない…!


ということは…


翔が里桜を生かし守りたいという強い気持ちを魔力として込めたルビーのピアス…

それが発動され、そして翔が死んだことにより互いの呪い、もしくは一方の呪いが解除、

複雑に絡み合ったその情報の処理に時間がかかり、さらに時を経て、現在に至った…?



「…翔が…守ってくれたんだ…最期まで……」



里桜が涙を流し始めた。


昴がティッシュの箱を渡す。

しばらくその嗚咽を聞きながら、昴もクマも黙っていると、テーブルの上はティッシュでいっぱいになっていた。

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