表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/270

4


おぶってなんとか鬼頭の元へ運んでいくと、

鬼頭の第一声は、「転校生なんぞ…」


から始まり、


「…んなっ?!?!?!」


あまりの驚愕ぶりに、幸愛は腰を抜かしそうになるほど驚いた。


「な…なんですか。」


「……どういうことだ…

あぁ…そこに寝かせるといい。」


学長室の大きなソファーに横たわらせると、鬼頭はサングラスを取ってまじまじと彼女を覗き込む。

幸愛は一先ずここまでのことを説明した。



「……間違いない…

弥生…里桜……

どうなっている?」


「…お知り合いですか?

ていうか、そもそもここの制服着てるわけだし、知ってなきゃおかしいですよね。」


「……知ってるも何も…こいつは俺の…

いや、だがこんなことって…」


ぶつぶつと何かを呟きながら冷や汗を拭き始めた。

幸愛はなにもかもが意味不明すぎて一先ずスマホを取り出す。


「とりあえず昴先生に来てもらいます?

今、俺から電話しますんで。」


「あ、あぁ……」



鬼頭はまだ狼狽している。



もしも本当に彼女だったとして、10年も経った今、なぜここへ?

特別な魔術の類?

特別な魔物の類?

もしくはこれ自体が、夢か幻覚か?




「なぁ…幸愛…」


「…はい?」


「俺を1発殴ってくれないか。」


「……は?」


「いいから殴ってくれ!」


幸愛は小さくため息を吐くと、思い切り鬼頭にパンチを入れた。



ズドドド!!


あ、やべ。

ちょっとやり過ぎた?


そう思いつつも、真顔のまま、

床に転がっている鬼頭に手を差し伸べる。



「……ゆ、夢ではない…ようだな…」


「でしょうね。…血が出てますよ。」



この事実は幸愛に伝えるべきか否か…

いや、今はまだやめておこう。

とにかく状況が掴めん。


「…はぁ…幸愛、悪いが、頭を冷やしてくる。ついでに傷も。その間、こいつを頼めるか。」


「…分かりました。」



鬼頭は顔色の悪いまま傷を押え行ってしまった。




幸愛は、顔を顰めながら頭を搔く。


「なにがどうなってんだ、ったく…」


そう呟きながら、濡れたタオルを用意する。



里桜の隣に腰掛け、

前髪を退けると、額の汗を拭った。


よく見ると…


ピアスがすごいな…。

術具の類か?



顔に着いていた僅かな汚れを擦った時、

里桜の瞼が開いた。



「あ」


「…ん…あれ?」


視界を埋めつくしているのは、先程の少年の顔。

驚いて目を見開くと、幸愛は困ったような顔をした。


「大丈夫ですか。さっき倒れたんだけど…」


「…う、うん…ごめん、

麻宮くん…だよね?」


幸愛が頷くと、里桜は少しだけ表情を緩めた。


持っているタオルに気がついたのか、里桜が慌ててまた口を開いた。


「あ!ありがとうっ…

看病してくれてたんだ…!」


「あ、はぁ…」


「!?え…麻宮くん、怪我してるよ?!」



里桜の視線が手元にある。

よく見ると、先程鬼頭を殴ったからか、人差し指の付け根あたりにかすり傷ができていた。


幸愛は表情ひとつ変えず、

あー…これはーと声に出した瞬間、里桜に手を握られていた。



「いっ、たそう…大丈夫?」


「…大丈夫です。」


「あぁ、そうだ。応急処置だけど…」


と言いながら絆創膏を取り出すと、そこに貼り付けた。


全てが一瞬のことすぎて、幸愛は呆然とする。


「…あ…ありがとう、ございます」


「ううん!お礼を言うのは私の方だから!

わざわざここまで運んできてくれたんだよね!」


満面の笑みで手を握ったままそう言われ、幸愛の鼓動が1つ跳ねた。



目を合わせていられなくなって視線を落とすと、あることに気がつく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ