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里桜は気がつくと、小学校らしき廊下で小学生らしき生徒たちに囲まれていた。
「お姉ちゃん、だれー?」
「大丈夫ですかー?」
「先生呼ばなきゃ!」
あれ?
自分はさっきまでここで魔物と戦っていたはず…
でもこの小学校は廃校になっていたはずで、
誰も生徒はいなかったし、
自分はあのとき……
「……え?どうなってるの?」
魔物に殺られたような気が…
したんだけど…
私が勝って、
ただ気絶していただけ…?
すると、教師らしき人が生徒に連れられて駆けつけてきた。
「…大丈夫ですか?
倒れていたようですが…
誰かのお姉さんかな?忘れ物を届けに来たのかな?」
「…えぇっ…と……
ごめんなさい!用は済みましたから!」
そう言って急いで立ち上がり、
一目散に校舎の外へ出た。
「あれぇ?!森さんは!?」
森さんがいないし、車もない。
しかも、明らかに来た時とは違う、
活気づいた雰囲気の小学校。
……どうなっちゃってるの?!
スマホもペンダントもなくなっている。
魔物に飲み込まれちゃった?
とりあえず里桜は
歩いて学校に戻ることにした。
そして、学校につくやいなや、
1人の男子に話しかけられた。
「…あんた、誰?」
黒髪で色白、そして学校の制服を着ている。
けれど…見たことがない。
「え……あなたこそ、誰?
転校生かな?」
「……はぁ?」
男子生徒は怪訝な顔つきをした。
「や…俺は麻宮幸愛だけど。1年の。
あんたの名前は?
まさか別の高校と間違えてる?ここ東京だけど」
「えぇっ!間違えてないよ。
私、今任務から帰ってきたの。
3年の弥生里桜だよ」
幸愛は更に眉間に皺を寄せた。
あのテキトーな昴先生のことだから、
また説明不足で任務に出しておきながら、この転校生をこれから学校に案内する手筈だったかも?
この子は学校のことを何も知らされていない?
いつの間にか昴先生によって勝手に入学済にされていた?
あの人のことだから、何がどう噛み合ってなくても別に不思議じゃない。
幸愛はウンザリ気味に頭をかいた。
確かにこの人…
妙な魔力を感じる。
「…先輩、あなた何級ですか?」
「え?…A級だけど…。」
A級?!?!
多分、話が噛み合わないのも、自分たちが知らされてないのも、全て昴先生による説明不足が原因。
そう幸愛は結論づけた。
「……とりあえず、行きましょうか。
鬼頭学長のところへ。」
「…学長?!」
さっきからずっと不安の表情を滲ませていた里桜が、突然驚いた表情になるので、何にそんなに驚いたのかすらもよく分からない。
「…昴先生には俺から電話し…!?
ちょっと?!大丈夫ですか?!」
突然里桜がぐらつき、それを幸愛が急いで支えた。
何度も呼びかけるが、貧血か疲労か…よく分からないが、彼女はたちまち意識を失った。




