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昴は帰宅してから目の前の光景に目が点になり、再度ドアを閉めた。
ドアに寄りかかり、腕を組む。
これ、幻覚?
え、夢?
ドアの向こうでまだケタケタと喋り声がする。
もう一度ドアを開く。
「ぎゃははははは!!
クマ!やべーよそれ本当?!」
「おう、本当だ!
あいつの顔がすっげぇベトベトになっててそのあと」
パタン。
再度ドアを締める。
え、え、僕の頭おかしくなった?
それか…もしかして…
僕 どっかで死んだ?
キィィー…
もう一度ドアを開く。
「うっへぇぇ!!マジ?!
あの昴先生がー?!あんな強いのにー?!」
「おう。そいで、おいらがあいつが幻聴にやられてるところを助けてやって、で、あいつが初めて一閃を放ったんだ。全部おいらのおかげだが!」
「一閃てなにー?」
「てめぇ、んなことも知らねーのかぁ?
教師なのにあの馬鹿は何をやってんだ。
まぁ、てめぇにはまだはえーか。それよか、もっと前なんか、麻宮幸愛とかゆーガキにズッタズタに致命傷負わされて」
「えええぇ?!あの昴先生がー?!
なにもんだよそいつ!!」
「それは話すと長くなる。つーかもっといちごミルクくれ」
「ほいほい!待っててね!……ん?
わ!昴先生帰ってきてたの?お疲れ〜す」
目を見開いて突っ立っている昴。
クマは首だけで振り返った。
「よお。グラサン野郎。」
「く……く……」
「なんだ、ちょっと見ねー間に喋れなくなっちまったか?」
「く…くま…野郎……お前…」
唇がわなわなと震え、口に手を当てている昴を無視して大洋はクマにいちごミルクを投げ、またその隣に座って喋り出す。
「ほいっ!
で!さっきの続きだけどー!」
「おー、おいらどこまで話した?」
「ちょちょちょちょっと待て!お前ら!!」
「え?」
「お?」
ついている映画を全く観ていない上に、わいわいと喋っていたであろう2人に昴は様々な感情を抱きつつも、とにかく目の前の状況判断はさておき本題に入る。
「クマ野郎……どういう…ことだ?」
クマは至って冷静沈着な態度で言った。
「さぁな。つーかおいらが聞きてぇよ。
どうなってやがんだ、こりゃ。
てめぇが教師やってんとかも、なんの冗談か知らねーが。」
「……ちょっと来い!!クマ!!」
昴はクマを脇に抱え、別の傀儡を虎杖に投げる。
「大洋はそれ使ってちゃーんと映画を観ること!
いいね?
サボってた分、しっかりやってもらうよ。」
そう言って部屋を出る。
残された大洋はポカン顔のままドアを見つめた。
「なんだ……?わけわからん…。」




