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「…おい」



大洋のDVDを持つ手がピタリと止まった。



「おいてめぇ」



「…え?」



辺りを見渡してももちろん誰もいない。

クマのぬいぐるみと自分だけだ。



「てめぇのことだ!馬鹿野郎!」


ドガッ


「ってぇぇぇえ!!!

……はぁあ?!?!」



頭を擦りながら目を見開く。


クマが心底不機嫌そうな顔で腕を組んでいる。



「…え」


「ここはどこだ。今、何年の何月何日だ。」



紛れもなく、この人形が喋っているのだと理解する。



「な…なんだ。喋れたんだ。こいつ。

まぁ確かに強い魔物は喋るって聞いたし、別に不思議じゃないか…いやそれ以前に…なにもかもが不思議でならないことだらけだから今更何に驚くってわけでもないんだけど…」


「おいこら!質問に答えろや赤毛野郎!」


あまりの口の悪さに目を丸くするが、

とりあえず答える。


「えー、と。

今は△△年の○月○日だけどー?」


「・・・なに?」


クマは眉間を寄せてしばらく押し黙った。



大洋はポカン顔になる。


え、なになに?

なんでそんなことを聞く?



「で?ここはどこだ。」


「あぁ。ここは昴先生のおうちだよ。」


「……先生?だと?」


「……う、うん…?」


「じゃあお前は誰だ。」


「…あー、俺 赤嶺大洋。

昴先生の生徒。いちおー。」



クマはグルグルと視線を動かしながらぶつぶつと何かを呟いている。



大洋は頭をかきながら目を逸らす。


映画の観すぎで、俺の頭、おかしくなっちゃったかな?


まー、いっか。




クマは転がっているコーラを見ながら更に不機嫌そうな声を出した。


「なぁ…お前…こんな不味いもん飲んでんのか?

いちごミルクはねぇのか?」


「えっ、いちごミルクー?

…ちょっとまってて…」


昴の冷蔵庫を開けると、大量にいちごミルクが常備してあった。


「あったあった!!

…はいよっ!!」


「おう。サンキュー。あいつも気が利くじゃねーか。」


クマは嬉しそうにいちごミルクを吸い出した。


こうして見ると、ただの愛らしいテディベアだ。


大洋は全てがどうでもよくなり、ニッと笑った。


「ねぇ、クマはどんな映画が好きー?次何観るー?」

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