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「ふっ…ふふ……

君よりはあるはずだけどね…あの頃みたいに…」



あの頃の微笑みで笑い

血を吐いている翔をまっすぐ見つめ、眉を顰める。







くそ…

最期にそんなふうに笑うな…


俺はお前がいない世界じゃ、

心から笑えねぇよ?






「…俺、翔が思ってる以上に寂しがりなんだよ。

だからさ、先に着いたら待っててよ、"天国"で。」



「…天国?……ふはは…

やはり君は相変わらず冗談のセンスがないな…

こういう時は、きちんと、"地獄"と言えよ。」



「地獄なんか俺が嫌なんだよっ。

だからお前は天国で待ってろ!いいな?」



地獄なんて、

そんなもんあるって誰が決めたんだよ。

誰も知らねーし見たことねーだろ。




「それに……天国に行かねぇと…

里桜に会えないぞ…

2人で待ってろ。約束な。」




有無を言わせぬ、あの頃の口調で言う昴に、翔は諦めたように小さく笑う。

しかしその諦めは、天国になんか行けるわけないだろというような意味を醸し出していた。



翔は寂しげにため息を吐いたあと、耳のクリスタルを取り、差し出す。




「……これ…持っててくれ。」


「は?なんで。これはお前の、」


「これまで地獄に道連れにしたくない。

いいから持っててくれ…」



真剣にそう言われ、それを受け取ると、

また翔は笑みを零した。







「……翔……俺はお前に出会えて良かったよ…

お前と共に、青春を送れたこと…。

お前に…たくさんのことを教えてもらった…」



あのころお前が俺を一生懸命諭してくれていた。

魔術師としてあるべき姿を……。




「ありがとう翔…」




翔は一瞬唖然とした表情になったかと思えばまた笑った。




「…ははっ…本当に……君らしくないな……

…でも…まぁ…そうだな……

私も…君に出会えてよかったよ…」




最期の最後まで、

結局そうして優しい顔で笑うのか。




「……ありがとう昴。これでさよならだ。」




翔は覚悟を決めたような清々しい表情で長い息を吐いたかと思えば、最後は真剣に昴を見た。







「なにがあっても負けるなよ。

君は最強なんだから。」












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