表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
242/270

11


優しさに甘やかされていた。



ああすれば良かった


ああ言えば良かった



何度繰り返しても


時間は戻らない





確かに世界は暗闇で


ろくでもないことばっかだよ



けど、



それでも…




あの瞬間、


俺たちは


確かにあそこにいた






あの時間が俺は





大好きだった。








「なぁ、翔。

俺さ、お前に出会えてホントによかったよ」



「…ふ……なんだよ急に…」



「いつも俺のそばに翔がいてくれて…

ホントに…嬉しかったって言いてぇんだよ」



「は……君がまともなことを言っていると…

調子が狂うよ…」



「ひでぇな…本音だよ。」





翔の髪があのころよりかなり伸びている。


そうやって伸ばしてたのも

ハーフアップにしてたのも


どうせあれだろ。



あの頃そう、言われたからだろ。




里桜が何気なく言った一言でも

それは全部、

そうやってお前にとっての呪いになってんだよな






「あぁ、そうだこれ…」



そう言って翔が寄越したのは、エルサルバドルの鳥のキーホルダーだった。



「それ…返しといてくれないか、楓さんに…」



昴はその美しく儚げな鳥を見つめてから、ポケットにしまった。







「……お別れだ。翔。」




ここで、俺が翔を殺さなきゃいけない。


他の誰にも殺させない。


こいつは俺が殺る。



覚悟はとうにできてる…



あの日から…



ずっと…



心に決めてきたこと……






「あぁ…最期、君で終わるとは思わなかったが…」



翔は視線を落としたまま自嘲気味に言った。



「…私はきっと…心から笑うことのできる世界を、自分のために作りたかっただけなのかもしれないな…」





昴はうっすら笑った。



「…嘘をつくなよ。

やっぱりお前って、あの頃と変わらず

嘘も冗談も、センスねーな…」



どう考えても、あれは心の底から笑ってただろ。

いっぱい。

とくに、あいつといる時なんかは…。



お前が離反したのも…

お前自身のためじゃない。


あいつと、俺と、魔術師全員のためだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ