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「…… 里桜のことは?

どう感じたんだよ…」



その言葉にも、翔は顔色を変えずに静かに言った。


「今更なにを言っているんだ?

それに私は、君に譲ると言ったはずだが?

そんな君が彼女を守れなかったことについて、もはや私がどうこう言える立場ではないからな。」



静かに拳を握りしめた昴を一瞥すると、翔は笑いながら言った。


「なんだ、私に怒られるとでも思っていたのか?

ははは、安心してくれよ。

君の所有物になったものをとやかく言う権利は私にはないんだから。」


「…翔…お前……」



「天馬様!早くしないとお店閉まっちゃうよ?!タピオカにも行かないと!」



突然の朝陽の大声に、翔はハッと気がついたように顔色を変えた。



「!…確かにもうこんな時間だ…。

時間の流れは早いね、昴。」




そしてにこやかに踵を返した。



「彼女たちがクレープやらタピオカやらと凄くてね。まるでかつての君のようだよ」


「待て。やっと会えたんだ。このまま逃すわけにはいかない」



昴は魔力を滾らせた。



「やめとけよ昴…」



ピタリと翔が止まり、空気が一気にどす黒くなった。



「可愛い生徒たちを巻き込むつもりかい?」



気がつくと、たちまち皆は翔の魔物に囲まれていた。



「心配しなくても、また近々会えるさ。」



冷たく言い放ち

翔一派は一瞬で去っていってしまった。




昴は眉間に皺を寄せる。


信じられない言葉を聞いた。


かつて、心の底から愛したはずの彼女たちについて、まるでなんとも思っていないかのような口ぶり。



あれが本当に天馬翔?

本当にかつての親友だった、あの翔か?



恐らく、里桜が死んだことをきっかけに、クマのことさえもどうでもよくなったのだろう。


己の大義にのみ執着して生きるようになった。

愛を失い、もうそれしか無くなったんだ。






昴は辛辣な表情のまま翔の残した魔物を祓った。

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