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校庭には、翔と取り巻きの数名が、翔の魔物から降りてきていた。



「わーお!ここが天馬様の母校?」


「なんか古ぼったいね」


朝陽と夕陽がキョロキョロしている。


訓練広場にいた生徒や校内にいた数名が校庭に駆けつけてきた。




「ねぇ見て夕陽!何かいるよ!?」


「なにあれタヌキ?」



出てきたタヌキは、目を見張った。

久しぶりに見たその人物に。



「…か、翔……」



「やれやれ、まさかここにまた来る日が来るとはなぁ」



「何しに来たんだ、翔。」



突然現れた五条に、翔はあの頃のような朗らかな笑みになる。


「やぁ昴。元気そうだね?」


「勝手に校内に侵入するな」


「すまないね。家族たちがどうしても見物したいと言って聞かないから」



こんなに近くで互いの顔を付き合わせるのはあまりに久しぶりのこと。



「ふぅん…。君の生徒たちはあまり使えそうにないね」



「どういうつもりだ」



「いい子がいたら勧誘しようと思ったのだけどね。少し微妙かなぁ。」



睨みを利かせている昴に対し、翔は笑みを浮かべながら品定めをしている。



「君の生徒ならと期待していたのだけど…うん、期待外れだよ昴。」



かつての翔の顔じゃない…

完全にイッちまってる…




「心配しなくてもすぐ、おいとまするよ」


「待て翔。お前に質問がある。」


「んー?なんだい昴」



楽しそうな笑みを零す翔を真っ直ぐ見つめる。



「お前も知ってるだろ。

里桜と…それから、クマのことだ。」



翔は表情一つ変えない。


「…それで?質問はなんだい?

悪いがこっちは急いでるんだ。」


「なぜ、クマは人形に戻ったのかについて聞きたい。」



間を開けず、キッパリとそう言い放った。


もうずっと考えてきたことだ。

クマは、里桜が死んだとしても、翔さえ生きていれば人形に戻ることはなかったはずだ。

2人の魔力と想いでできた呪骸なのだから。



翔は片眉を上げ、視線を上に動かした。

そして思い出したように声を出す。


「あ〜…そういえば…言っていたっけな。

彼女が死んでも、私がクマを生かしたいという気持ちさえあればクマは死なないとかなんとか…」



その言葉に、昴は目を見開く。


ということは…つまり…



「…つまり翔、お前は……」


「あぁ、そう。

君の今思っている通りなんじゃないか、昴。

私には見ての通り、ほら。新しい家族がいるからね。」



にっこりと笑って言うかつての親友に対し、今、確信してしまった。


もうあのときの翔じゃない。


それなら……

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