僕には夢があるんだ
今日は高校を出ていく日だ。
すなわち、卒業の日。
昴は、里桜の部屋の引き出しにあったものを全て私物として引き取った。
元々は翔の部屋に置いてあった天馬一家の絵や、里桜と翔の絵、ドリームでの4人の写真、そして…アルバム。
恐る恐るそれを開いてみる。
まじまじとは見られない。
何気ない日常、ドリーム、夏休みに行った綺麗な海、クリスマスや初詣や、写メを現像したものもたくさんある。
どれも心底楽しそうな笑顔か、ふざけているところばかりだ。
昴はため息を吐いて目を細めた。
「眩しすぎるから、これ。」
そう呟きながら、バラバラと最後まで勢いよく捲り、閉じようとした時、ある写真が目に入って止まってしまった。
1番最後の場所にある写真…
それはドリームで、里桜と翔のキスシーンを撮った後に里桜が撮った、自分と翔のツーショット。
肩を組んで、心底楽しそうに笑っている。
本来ならばこれを見ただけでにやけてしまうだろうが、今回ばかりは眉をひそめるしかなかった。
「…ん?」
その写真の後ろに、何かが重なっているのがチラと見える。
徐にツーショット写真をずらすと、
重なっていた写真の正体が現れた。
「…ふ…」
少し笑ってしまった。
里桜と翔のキスシーン写真。
恥ずかしいからここに隠してたって?
別に今更だろ…
アルバムのポケットには、翔と棗と里桜とクマのプリクラが挟まっていた。




