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「君たちは私の髪を弄るのが好きだね…」
長い髪を楽しそうにクシで梳かしたり、結んだりしていつも遊んでくるこの2人は…
やっていることもその空気もあの子と同じで、また思い出してしまう。
「うん!天馬様のこともこの長い髪の毛も!だぁいすき〜!」
「ちょっと朝陽!僕の方が天馬様のこと大好きなんだよ」
「私の方が夕陽より天馬様のこと愛してるもんっ!」
「朝陽より愛の大きさは負けない!」
2人のやり取りに目を丸くする。
「こら待った待った。喧嘩をしない。
というか…随分と大人びた言葉を使うようになったな…」
「好きよりもっと好きって、愛してるでしょ?!」
「愛してるが1番上でしょ!」
懇願するようなキラキラの子供の目から、
苦笑い気味に目を背ける。
「それは…どうだろうね…
でも…おいそれと他人に使うべきではないよ」
「私たち天馬様だけだよ?!
大好きで、愛してるんだよ?!」
必死なその表情にフフっと笑う。
まだまだ純粋無垢で何も知らないのだろう。
「好きも愛してるも…厄介な言葉なのさ。
愛というものはね、いつでも歪に歪んでる呪いなのさ…」
だから私は言わなかったんだ。
いくら言いたくても、
それを言われた者は永遠に呪われる。
だから私は呪われている。
もう随分と前から…
でも…
私が呪いを受ける側でよかった。
1番それを言いたい人には
言わないことが1番の救いになる。
ポカンとした表情で口を開けている2人の頭を撫でる。
「でもありがとう。
私も大好きだよ、2人ともね。」




