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「それからクマ助、さっきの続きだけどね…」



"自分の中での何かをアップデートするべきタイミングだと教えてくれていたのさ。そういった君の約束は"



「君は約束以外にも、いろいろ教えてくれたよ。私の背中を押してくれた。おかげで苦しみから解放されたよ…ありがとう。」




「お前は……」


今までにないくらい、弱々しいクマの声。


「…お前はこれから、どうすんだ。処刑対象だぞ。」




翔は静かな声色で呟くように言った。


「世界を変えるんだ」



「あ?」



「新しい本当の平和を、私が作るんだよ。」



「……正気かよ」


「正気だよ。私は1ミリもふざけてない。」




クマは飲み干したパックを置いてまっすぐと翔を見つめた。



「正直おいらはな、誰の味方でもねぇ。術師の味方でも非術師の味方でもねぇ。ただな、おいらは生まれた時からずっとお前らを見てきた。ずっとお前らといて、お前らと戦ってきた。全員でやってきたことを踏みにじるような真似はよせ。」



「ははは、違うよ、クマ助。論点がズレてる。

私の選んだ道はその全員を助けるための変革だ。もう進んだ道を戻るつもりはないし、戻れない。

君も来るなら歓迎するよ。君は猿ではなくてクマなんだから。しかも、最強のね…」



「なら… 里桜は…どうする」


「彼女は置いていく。理由は至極簡単な話。

足でまといだからさ。」


「いや違うな。危険な道だと分かっているからだろう?」



翔は何も言わなくなった。

目を細めてうっすら笑っているように見える。



「おいらの視界に1番最初に入ったのは、お前と里桜だ。だから誰の味方でもないと言っておきながらおいらはずっと…お前らばかりを見てきた。

両親だと…家族だと…思ってたんだ。

これを、人間の感情で表すならば、"贔屓" と言う。」



翔はフフフッと笑ってから言った。


「じゃあ、私を殺しに来たのではないのかな」


「殺さない。ただな、里桜を悲しませる大嘘つきは許せない。」



翔は驚いたように目を見開いた。


「……久しぶりに見たな…君のその姿は…」



クマは毛並みを逆立て、青い炎を滾らせ、光る眼光を三日月型に変えていた。

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