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檻を破壊すると、返り血を浴びた見知らぬ男を前にしているのもあるからか、怯えきっている態度を変えない女児と男児。
「大丈夫だよ。私は君たちの味方だ。」
にっこり笑ってしゃがみこみ、目線を合わせると
2人の表情が少し緩んだ。
「どうやら君たちは、こちら側の人間らしい」
2人の頭に手を置く。
「…お名前は?」
「・・・」
「・・・」
「…あぁ、ごめんね。
今まで呼ばれていた名前なんて、名前じゃないよな。
じゃあこれからは……」
2人の手を優しく取る。
「君が朝陽で、君が夕陽だ。」
2人はコクリと頷いた。
「今日から私の新しい "家族"だよ。よろしくね。
じゃあ、行こうか」
「ど…どこへ…」
翔はにっこり笑ったまま言った。
「君が、君でいられる場所さ…」




