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変えられないことなんかない
翔は1人で出向いた任務先の状況を前に、ため息を吐いた。
「……こいつらはこの世のものじゃないんです!私らの村全体が、こいつらによって被害ばかり被っているんだ」
「私らの子供たちも、こいつらに怪我を負わされた」
「とにかく人間じゃないから気をつけてください」
そう口々に言う村人たちが蔑んだ目で見ている檻の中には、まだ5.6歳の女の子と男の子がいた。
熊用か何かの獣用の大きな檻。
その中で彼らは怯えきっていた。
「………。」
何も言わない無表情の翔に、村人たちは、早く始末してくれと騒ぎ立てている。
「…この子たちは……」
人間だ、と言おうとしたが、
人間への嫌悪感からかその言葉が出なかった。
「あのときのアレも、このバケモノ共のせいに違いない!」
「だからあのとき殺しておけと言っただろ!」
「こいつらの親の仕業だと処理されたから親はその場ですぐ処刑したろう!」
" きっかけさえ起きれば、それがたとえどんなことでも、変化に繋がるということや。"
" この世に変えられんことなんかないで。"




