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「しかもあいつは頭脳明晰だしな。あの冷静さも相まってあいつの強みは手数の多さだけじゃねぇ。」


「だよねだよね!やっぱ翔は最強だよね!?

悟とそんなに変わらないよね?!」


「……なんだお前、その謎の反抗心は。」


クマは内心もう完全に昴の方が翔よりも圧倒的強さだと思っている。

恐らくあいつに適う奴はこの世にいないのではと。

それは恐らく翔も分かっていることだろう。

それをあいつがどう感じているのかも…わかる。



さっきから黙って聞いていた日和は、ついに不安を吐露してしまった。


「あの……私は…やはり皆さんほどの才がないように感じるのですが…」


もうずっと思ってきたことだ。

すごい先輩たちばかりを目の当たりにして、里桜や翔やクマに訓練をつけてもらったりこうして任務に連れて行ってもらったりしても、自分の無力さを実感させられているだけだった。



「術式はな、生まれながらに体に刻みつけられたもんなんだ。だから魔術師の実力っつーよりか、適正は遺伝でほぼ決まっちまう。

確かにお前の術は低レベルすぎる。今後もこの調子だったらそれは確実に遺伝だから、諦めるほかねーな」


「えっ…」


容赦のないクマの言葉に、日和は混乱してしまった。

まるでトドメを刺されたかのようだ。



そこで里桜は慌てたように話し出した。


「魔力しか扱えない人でも戦い方はあるよ?

たとえば、簡単な式神や結界術は術に関係なく誰でも扱えるし。

あ、それに例えばほら、森さんとか佐々木さんとか、他の補助員の人たちも、強力な境界壁を下ろしたり、状況判断能力とか危機察知能力には長けているでしょ?」


「あーだな、日和、お前ももしもこのまんまだったら補助魔術師になれ。そしたらおいらの部下としてコキ使ってやる。」


「こらクマ、また森さんみたいに足に使おうとしてるんでしょ〜」


「なんつー言い草だ里桜!

あいつはおいらの大切な部下なんだぞ!」



「・・・」


日和は言い合いをする2人を横目に、なるほどと考えてしまった。

自分がもしもこのままなにも覚醒できなかったら、補助魔術師…というのもありかもしれない。

こんな自分でも、少しでも魔術界の役に立ちたいと思っているからだ。



「あっ!翔にラインするの忘れてた!」


「あ?」


里桜はすぐさまスマホを取り出した。


「任務終わったら毎回すぐに翔に無事を伝えなきゃなんないんだよ!」


「はっ、どんだけ束縛男なんだあいつは。」


「違うよっ!心配してくれてるの!!」


もうっ、と怒ったように頬を膨らめながらスマホを操作する。


まだ翔からは連絡が来ていないということは、こちらが先に終わったのだろうか。


必ず連絡すること!と言っている翔は本気で自分のことを心配してくれているのだ。



「あっ、そーだ!せっかくだから3人で写真撮って送ろ〜♪」


そう言って里桜はクマと日和が声を出す間もなく引き寄せてスマホをかざした。


怯えているようなポカン顔の日和と、不機嫌そうなクマと、にっこり笑顔の自分の写メを、"無事終わったよ〜♡"というメッセージと共に添付した。



「記念に日和くんにも

コレ現像した写真あげるね!」



「あっ、ありがとうございます」



常に笑顔で、優しくて、全く穢れのない純粋そのものといった感じの彼女。

この笑顔を向けられると、自然と自分の中の穢れまで祓われていくような感覚がする。

そして、自分には何もできるはずはないのに、なぜだか彼女に対して何かをしてあげたくなってしまうような感覚…


彼女の周りの人たちも同じ感覚を味わっているのだろうか?

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