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運命は自分で変えていくものだ


「ふふふふっっ…ははっ!」


里桜は自室でアルバムを作っていた。



皆に無理やりキスをされているクマの写真。

これには笑いをこらえきれない。



他にももちろんたくさんある。

佐々木さんからもらったクリスマスでのみんなの写真。


理玖と翔に取り合いのようにほっぺにキスされているサンタコスの自分。

トナカイの夏樹とサンタさんごっこをしている自分。

クマのケーキ入刀を無理やり手伝っている自分。

翔にケーキを食べさせている自分。

瞳や京介の酒を、飲み過ぎだと取り上げている自分。

昴やみんなと騒いでいるところ。



もちろん自分以外のものもたくさんある。



それぞれが何かをしている不意打ちのシーン。

どれもが本当に楽しそうで幸せそうだ。



写メを現像したドリームでの写真もあるし、

海での写真もある。


昴や翔の誕生日での写真もあるし、

初詣に行ったときの写真もある。


棗との写メやプリクラ、

初めて高校に来たばかりの頃の昴たち4人で撮ったプリクラもアルバムの後ろポケットに挟んだ。


1番後ろには、ある写真を2枚重ねて入れた。

それは、ドリームでの夜、花火とプロジェクションマッピングを背に、昴が撮ってくれたもの。

翔とのキスシーンの写真だ。


その時に里桜は、翔と昴のツーショットも撮った。

肩を組んで心底楽しそうに笑っている親友2人。

バックには花火が映り込んでいる。

我ながらなかなかうまく撮れたと思った。


その写真の下に、翔とのキスの写真を重ねて入れた。

皆がこのアルバムを見た時に、こればかりはさすがに恥ずかしいと思ったからだ。



まさに入り切らないくらいの思い出の詰まったアルバム。


見ているだけで幸せの笑みが零れてしまう。

そんなこの1冊を、そっと引き出しにしまった。



3年生になってから、毎日本当に忙しい。


今年は天災が多かったせいもあり、各地で魔物が増えたらしい。各々の単独任務が多くなったせいもあって、皆が揃う機会がほぼ無くなった。


今日だってそうだ。


里桜は先程ようやく任務から帰ってきたのだが、翔も昴も瞳もクマも、誰もいない。


アルバムも作り終わってしまった。

けれど、こんなに最高の写真の数々は見ていて飽きるわけが無いし、もう一度アルバムを取り出そうと引き出しを開けた、その時…



「……ん?」


手を止めて耳を澄ませた。



やけにドアの向こうが騒がしい。




ドアを開けて廊下に出る。



声がする方へ向かった。








そして…




また残酷な現実に一気に引き戻された。





「………え?…どう…したの…?」




医務室のベッドに横たわっているボロボロの矢作夏樹。


そして、顔面蒼白にして息を切らしている、壱屋京介。


今日はこの2人で組んで1つの任務へ行っていたはずだ。



「… 里桜さん……やられました…」


「……え?」


里桜は瞬時に夏樹に駆け寄った。


「早くっ早く瞳に連絡しないとっ!!」


そう言ってスマホを取り出した時、京介に止められた。


「…手遅れです……もう…死んでます…」


里桜は目を見開いてまた夏樹を見下ろした。

純粋無垢でいつも仔犬のようにキラキラしていた目は固く閉じられている。



「そ、んな……」



嘘だよ…こんなことって…



"里桜さ〜ん!天馬さんどこいますか〜?"


そんないつもの明るい声が聞こえた気がした。



「れ、連絡、しなくちゃ…か、翔にっ……」


スマホを持つ手はガタガタと震えすぎていて、指が上手く滑らない。


「あ……あ……っ…」


ついにスマホを落としてしまった。

すると、京介がそれを拾い上げ、渡しながら言った。


「私が連絡します…座っていてください」




里桜はみるみる息が苦しくなっていた。

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