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日和幾太郎は、今、日記を広げていた。
そこに挟まっている一枚の写真。
ジッとその写真を見つめ、眉を顰める。
若かりし頃の自分の怯えたようなポカン顔と、不機嫌そうなテディベアー、そして満面の笑みの女性が写っている。
もう約十年前のものだ。
この魔術学校に新入生として入学して以降、いろいろなことに圧倒されまくり、思考の追いつかなかったあの日々…
律儀に毎日日記をつけることによって、頭の中を整理していた。
日記は読み返すためにつけるものではなく、
ただ単純に、自分のことを客観的に見たかったからつけているものだった。
たいした才能もあまりない、そんな自分を。
抱えきれないほどの思いを、自分なりに一生懸命に抱え続けた日々だった。
不安しか持たずに高校に入学した私は、戸惑い、そして恐怖していた。
入学当初抱いていた感情とは全く別の、想像を絶するような日々や出来事に、いつしか私は日記を書くことをやめていた。
それでも、あの頃の記憶は、どれも鮮明に覚えてしまっている。
そう、私が見てきたものは、どれもこれも異常だったのだ。
今日は、私が補助員として受け持った任務にある問題が発生し、神塚昴さんと小篠瞳さんと話し合ったばかりだ。




