新しい年の始まり
新年を迎えた。
新しい年を全員無事に迎えられたことは、里桜にとって、どんなことよりも嬉しいことだった。
いつものメンバーで初詣に行き、お参りをする。
"神様…大好きな皆と、無事に過ごさせてくれてありがとう。
楽しい思い出をいっぱいありがとう。
今年も無事にまた、全員で過ごせますように…
そして、来年もまたここに皆で来られますように…
誰一人として欠けませんように…"
「里桜長すぎだよっ!何をそんなに一生懸命祈ってんのー?」
やはり今年も昴の止めが入った。
「もう…いいじゃん別に。1年に1回くらい頼み事をしても!」
「んなことよりおみくじ引こーぜー!」
「・・・」
おみくじはあまり好きではない。
そもそも占いなどそういった類のものは信じていない。
私が信じているのは、たった1人だけなのだから。
しかし、皆が引いていたら自分だけ引かないわけにはいかず、結局恐る恐るそれを開いてみる。
「・・・小吉。微妙だなぁ…」
それに、読んでみても結局、自分次第です的なことしか書かれていない。
これだからこういったものは嫌なのだ。
しかし、恋愛と書かれた場所に、目をとめた。
"荒れる。耐え忍べ"
「はぁ?なにこれー…」
里桜はうんざりしたようにそれを木に結んだ。
昴は中吉だったことが心底気に入らないようで、魔力で粉々にしている。
翔は誰にも教えずに丁寧に木に結び付けていた。
そして瞳は末吉だったらしく、詳細は読まずにポイとゴミ箱に捨てていた。
クマは、くだらん!と言ってもちろん引いていない。
結局誰もが微妙としか言いようのない結果だったが、こんなことで心をかき乱されるようなメンバーではない。
誰一人として全く気にせず、次の瞬間からは頭から完全に吹き飛んでいた。
春になり、
学年が一つ上がって、3学年になった。
昴と翔はS級魔術師になり、
里桜はA級魔術師になった。
昴は覚醒したように1人で最強の代名詞がついてまわるようになっていた。
しかし今年になってから天災の影響もあって、かなりの魔物が発生し、各々任務でかなり忙しい日々。
後輩たちも、クマも含め、
とにかく皆落ち着きのない日々だった。
全員の手首には、クリスマスの日のミサンガがある。
里桜の耳にはもちろんまだルビーがある。
そして翔の耳には、稲妻型のピアスともう片側の耳に、新たに装着されたクリスタルのピアス。
それは2月の翔の誕生日に里桜があげたものだった。
クリスタルの意味・・・
完璧、純粋、明瞭、沈着冷静
まさに彼にぴったりの言葉だった。




