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3

「ちょっとなに妄想してんの?」


瞳がコソッと耳元で言うので危うく持っていた菓子を落としそうになりながら、首を振った。


恐る恐る昴を見ると、いろいろと食い漁りながら、一人でランキング付をしている。

翔はもう菓子はいらないとばかりにおしぼりで手を拭きながら呆れたように袋にゴミを入れている。


昨夜の口論もそうだが、中身は正反対とも取れるこの2人は一体どんな繋がりの部分で仲良くなり親友と呼び合うようになったのだろうか?

共通点は、見た目が不良な部分だけ?だろうか。



そんなことを考えていると、翔に腰を引き寄せられた。


「眠くないか?里桜。無理に昴の菓子パーティーに付き合ってあげる必要はないよ。」


「え、あぁー。眠くはないよ。逆に頭が冴えちゃってて…」


あなたのせいでね…

とは言えない。


「そう?ちなみに私は眠い。」


そう言ってあくびをする翔が可愛くて顔をほころばせる。

糖分が頭に回ったからか、瞳もなんだかんだ言って目を虚ろにし船を漕ぎ始めた。


「寝ていいよ?今度は私が肩を貸す番。」


行きでは自分が翔の肩を借りて寝てしまっていたから、帰りはその逆を経験してみたいと思った。


すると翔は素直に肩に頭を乗せて深く深呼吸したかと思えば暫くして寝息を立て始めたのが分かった。


「で、昴は…まだ食べるわけ?」


「うん、ねぇ里桜はどれ優勝だと思う?俺はやっぱこれかなぁ〜まぁこれも捨て難いけどー」


勝手につけたランキング1位は意外にも、なんとか饅頭らしい。


「私はー…これかなぁ」


一応選んだ私のお気に入りはどら焼き。

これは本当に美味しかった。

昴ほどではないが、元々甘いものは大好きだ。


「じゃーもっと買っとけばよかったね」


「いやさすがに充分だよ」


紙袋の中にはまだまだいろいろと入っている。



「ところで昴、ずっと聞きたかったんだけど、翔とはなにか仲良くなるきっかけとか、共通点とかあったの?」


突然の問いかけに昴は一瞬手を止めたかと思えばまた菓子を齧りだした。


「ねぇよ?そんなの。」


「え?でも凄く仲がいいから。」


「仲が良い、ねぇ…まぁそうなのかな。単純に一緒にいると楽なんだよ。互いの足りないピースが嵌め込まれて、二人でいると完全体になれている気がして。」



完全…


翔が言っていた言葉を思い出す。


"自分の力じゃ絶対に埋められない不完全な部分がある。それはきっと、自分以外の誰かの力が必要なのさ。だから完璧な何かはこの世に1つも存在していない。…あの神塚昴だってそうだろう?"



「あぁ、そっか…なんかいいね、そういう関係って。」


「俺から言わせれば、お前ら2人だってそういう関係に見えるけど?」


その言葉にハッとする。

思わずルビーのピアスを指で摘んだ。



"ルビーには、勇気や情熱っていう宝石言葉があるんだ。不完全な里桜が、より完璧に近づくためにそれを渡したっていうのもある。"

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