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翔は里桜の手を握ったまま眉間に皺を寄せて低い声を出した。
「ノックもなしに…
相変わらず昴はデリカシーの欠片もないな…」
「っな!?お前が遅せぇから迎えに来てやったんだろ?!
つーかやっぱここに里桜もいたし〜」
そう、今日は3人で任務に当たるのだ。
理由はもちろん、かなりヤバい魔物かもしれないという思惑がある場所があるらしいからだ。
昴は目の前にいる手を繋いだ2人の様子をまじまじと見つめながら、あからさまにニヤニヤしだした。
「はは〜ん、そゆこと〜。
いつまでも部屋にこもって2人で、」
「昴。」
「はいはい、黙りますよ。」
「本当にノックくらいはしろ。
これは頼んでるんじゃない、命令だ。」
「なにそれ、やましいことしてるから?」
「してないよ。君は何を想像しているんだい?」
「そうぞ…っ、翔そんなに俺のこと虐めたい?」
「そう思う時もあるよ」
「あぁん?」
里桜は歩を進めながらも、止まらない2人のやり取りを苦笑い気味で聞いていた。




