表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/270

8


あれから暫く経ち、たち、12月12日になった。


昴はこの日、クマとの任務に出かけていた。


「プー野郎と組むの久々すぎじゃね?つーか、つえぇ俺らが同時に出ちゃってていいわけぇ?」


「今回の場所はな、おいらが前に行ったことある場所なんだ。あーいった魔物に平気そうな奴が行く必要がある。となったら、おいらとお前しかいねぇ。」


里桜にも翔にも恐らく危険すぎる…

とクマは珍しく神妙な面持ちで言った。




そうして着いた先は……

あまりにも大きな奇妙な森だった。


「うへぇーー!でけー!

お前、森のくまさんじゃん!案内してよ!ははは!」


「……ただの森じゃねぇがな…この森は。」


「・・・」


「なぁ森。」


「・・・」


「おい森!てめぇのことだ!!」


「っ!はははいっ!」


森森連呼でまた自分のことだとは気づかなかった森は、急いで資料を見た。


「はい、この森は前回、里桜さんとクマさんに任務にあたっていただいた場所ですが、幻覚幻聴に特化した強力な魔物がいます。前回祓っていただいたものとは別のものがまた現れているようです。…やはりこういった自殺の名所ですので寄り付きやすく…」


「ってわけだ!わかったかグラサン野郎!

わかったらとっとと片付けるぞ」


そう言ってクマはガムを膨らめながら歩き出した。

昴は、へ〜いと言いながらのろのろついて行く。


森は急いで境界壁を下ろした。


色んな意味で、この2人組で大丈夫なのだろうかと心配になりながら。





やはり細々とした魔物は、あの時と同じようにまた増えている。

メインの"アレ"がいたとしても、恐らく昴のような性格の者ならば大丈夫だろう。

とクマは思いながら、チラと昴を見る。


昴は余裕の表情でそれを祓っていた。


「つぅかさー、この森、

どのくらい破壊しちゃっていい系?」


「……好きにしろよ」


むしろこんな森、ない方がいいくらいだ。

人間にとって、人生を捨てるのに割に合わないおかしな魔物の巣窟。

しかし……どこだ?



「っ!!!」


クマが避けたのと同時に、それは昴が祓った。


「へーき?くまぴー?考え事は危険だよ。」


ニヤリと笑う昴に向かって、クマは顔をしかめて言った。


「てめぇな、そろそろそのふざけたグラサン取ってメインを捜せや。おいらはあっちへ行くからな」



そう言ってビュンと飛んでいってしまった。


昴はサングラスを取ることなくただてくてくと歩いていく。



「あ〜あ…俺が六眼なんか欲しいっていつ言った?母親の腹ん中で、んな事言ったかー?それともオタマジャクシの頃に言った?」


ため息混じりでそう呟きながら上を見上げると、

明らかに首吊り自殺の残穢があった。


「…うっげ…マジか……

まぁさ、こんなリアル(現実)にウンザリする気持ちもわかるけどさ、でも俺は死にてーと思ったことは、…??」



その瞬間、自分の周りが真っ黒い闇に包まれた。

たちまち今、自分がどこにいるのかわからなくなる。


すると、声が聞こえてきた。



"死にたい…"


"消えたい"


"終わりにしたい"


"一緒に死のう?"



「ぷっ!え〜嫌だよ」



"こっちは楽だよ"


"こっちは幸せだよ"

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ