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クマの視界にころりと入ったもの…
それを見て、たちまち顔を歪める。
「人間ってのはどこまでも勝手だな……」
京介はその声に反応して足元を見た。
なるほど…ぬいぐるみやらバービー人形的なものからお雛様的なものまで、1度は確実に大切にされたもののはずなのに、まるでその欠片も無かったかのようにこんな場所でゴミにまみれている。
首や腕がもげていたりもする。
「人形にだって、生命はあんのによ…」
「……私も…人間はクソだと思いますよ。魔術師なんかも同じです…命の尊さを分かっているのかいないのか…。」
京介のその言葉に、クマは視線を向けないまま冷静に言った。
「お前はリアリスト然とした奴に見えて、強い使命感の持ち主に見える。仲間や、魔物による犠牲者を想う気持ちが強い。天馬翔みてぇにな。」
「…そうですか。まぁ確かに、神塚さんより天馬さんのほうを尊敬していますが…」
「はっ、ウケるなそれ。」
「いや、事実ですよ。神塚さんの強さは凄いとは思いますけど、普段かなり振り回されているんでね。」
確かに昴のあの性格には、普通の者ならばとてもじゃないがまともには付き合ってられないだろう。
クマはそれを思って笑った。
「ふははんっ。
まぁあのバカは適当に受け流しておけイッチー」
「…あの人の呼び方を真似しないで貰えますか?
まぁイッチー野郎も嫌ですが…」
京介はいつもの不機嫌そうな顔をさらに不機嫌にした。
クマはくすくす笑っている。
こうして見ると、本当にただの愛らしいぬいぐるみなのだが、喋るとなんともいえないギャップにどうも惹かれてしまうのはなんなのだろうか…




