2
あの災厄から月日が経ち、冬になった。
「く〜りすますがこっとっしっもやぁ〜てくる〜悲しっかったできごとっをっ消し去るよぉっに〜♪」
「ちょっとうるさい昴!黙ってろ!
動画の音が聞こえねーだろ!」
「えぇー?!」
瞳のおもしろ動画を観ながら、里桜と翔とクマがゲラゲラ笑っている。
教室に入ってきた途端、邪険に扱われた昴は不貞腐れたように翔の腕を乱暴に引いた。
「っ!なんだ」
「なんだってなんだよ翔くん!わかってるだろー?」
不気味な笑みでニヤリと顔を近づけてくる昴に、翔は顔を顰める。
「はぁ?」
「クリスマスだよクリスマス!今年もあれやるだろー?」
「・・・」
翔は去年のクリスマスのことを思い出し、瞬時にまた里桜たちの方へ戻ろうとした。
が、また昴に腕を掴まれた。
「はぁ…昴。いい加減にしろよ。あれはやらない。
それからあれも、あれもやらない。」
「あ!わかったわかった!んじゃさー!
あれは里桜にやらせればよくね?」
「はぁ?君は何を言って…そんなこと」
「おっ!翔くん?あれと言ってわかるだなんて…
わかってるじゃないかっ!」
あからさまにニタリ顔になり、バシンと背中を叩いてくる昴から目を逸らす。
「ははは!やっぱ見たいんだ!見たいんだね?
里桜のアレ!」
「・・・別に。」
「なっ?!別にって…エリカ様かよっ!!
とりあえずあれは決定ね!超絶やべぇの用意しとくよ!お楽しみにね翔くんっ♡」
耳元で囁かれ、ぞわりと鳥肌がたった翔は瞬時に昴を押しやる。
するといつの間にか、近くにクマがいた。
「なぁ、あれってなんだ?」
「おっ!なんだ聞いてたのかプー太郎!
そうだ今年はお前もいるわけだ!存分に楽しもう!」
「だからなんだ?何の話だ。」
昴は不機嫌そうな翔の隣でサングラスを取ってウインクをした。
「ク・リ・ス・マ・ス♡ぱーりーだよ♡」
「・・・きも」




