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3


ー 翌日 ー



「ふぁ〜あ、もう東京かぁ。また今から現実世界に逆戻りってわけですか」



あくびをしながらそう言う昴だが、だいぶリフレッシュできたような顔をしている。



「何だかんだ楽しんでしまったな」


「結局俺ら2人必要だったん?って感じでもあったな」


「……そこが少し引っかかるところなんだよ」


「は?俺らがそんだけ強えってだけだろ。ある意味、魔術界も俺らのこと舐め腐ってねえ?相変わらずうぜーわー」


「しっ!待て昴!」


「あん?」



突然立ち止まった翔は険しい顔をして感覚を研ぎ澄ました。

昴はそんな翔を振り返る。



「……んだよ?」


「何か……妙だ……」


何と言われたら説明がつかない。

でも、さっきからこの空港のこのエリアには……

人がいない。

そもそも迎えの補助員はどこだ……?



グサッ!!!!



「?!」



それは一瞬だった。


一瞬で、目の前の昴に数本の刃が刺さっていた。



「グハッ……」


ボタボタボタボタ……


目を見開いて血を吐く昴。



「昴ーっ!!!」


翔は瞬時にぐるぐると自分の魔物で昴と自分を取り囲んだ。


「昴っ!!大丈夫か?!

くそっ!どこからだ?!」


何の気配もなく、ましてやこの昴を一瞬で仕留めるなど有り得ない。

信じられない状況に、翔は一気に焦り出す。

懸命に視線を動かすが、何もいないどころか気配すらない。



「落ち着け翔」


「昴っ」


「……俺は平気だ」



昴は自分の魔力で刃物を抜き、傷を塞いだ。



「翔は今すぐ魔物で飛んでって鬼頭たちのとこ行け!」


「っ、でも昴、その状態では」


「平気だっつってんだろ!俺は余裕だ」


「……正気か」


「学校にまで危害が及ぶかもしれない。いや、もういってるかも……とにかく手遅れになる前に急げ!」


それでも迷うような仕草を見せる翔。

なぜならここに居るのは……絶対に只者じゃない。

自分たちほどの目を欺ける者が、今までの相手のように行くはずがない。


黙り込む翔に、昴は真剣な目で肩に手を置いた。



「あっちには…里桜もいるんだぞ!翔!」



翔の目が見開かれる。

そして……意を決したように立ち上がった。



「……わかった。昴……死ぬなよ」


「はっ、俺が死ぬわけねぇだろ。誰に言ってんだ全く…早く行けよ」


親友同士の信頼の視線が交わったところで、翔は魔物のバリアを解いた。

その瞬間から昴は自分のオッドアイを発動させ、翔は魔物に乗って一瞬でいなくなった。



「…お前か……。隠れてても無駄だぞ。」



見える……

何者かの影が。



「ちっ……やっぱお前すげーんだな」



黒く纏った影が、徐々に晴れてきて鮮明になる。


この姿に、昴は目を見開いた。



……子供?!



そこにいるのは10歳くらいの美青年だった。



「あーあ。仕留め損なったなんてまたパパに怒られちゃう」


さぞうんざりした様子で持っている刃を磨きながらため息を吐いている。



「お前……何者だよ」


「……うわ……これ刺さっても喋れる人初めて見たよ。あれ?さっき念の為5本は刺したよね?」


「悪いが俺は普通の人じゃないんだよ坊主」


「……そうみたいだね。ならこっちも本気でいくかな。急いでるし。」


瞬間、気がついた時には目にも止まらぬ速さの少年が刃ごと目の前に迫ってきていた。


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