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自分の爆破によって巻き起こった煙を遮りながら、
ビルの下を見下ろし、笑みを浮かべる男。
「ったくここの連中ときたら俺らの広告なんか夢中で作りやがって………ん?…はぁ?!」
落としたはずの人間たちがなぜかおかしな魔物の背の上に乗っている。
そして妙な奴が浮遊しながら近付いてくる。
目を見開いて唖然としていると、魔物に乗って自分の方まで上がってくる制服の男…
「こんな派手なことするのは勘弁してくれないか。今朝、脳筋の担任教師に怒られたばかりで気をつけているんだ。」
「お前、あそこの高校生術師か。
たいしたことなさそうだな。」
夏油はいきり立っている男を観察する。
帽子とマスクと兵服のような奇妙な姿。
「いつの時代の戦闘服だよ…」
心の声が漏れていることには気が付かなかった。
「…それをお前が言うか?お前のその制服の方がどうかと思うぞ」
こいつが噂のエレファン…?
この感じで闇の組織気取るのか…?
あまり強くはない連中のように見えるけど。
悟じゃないが、ちょっとウケる。
まぁ、多少は目立ってもいい…よな…
「そのたいしたことない高校生に殺られたら、そっちは何になっちゃうんでしょうねぇ?」
夏油はわざとらしく小馬鹿にしたような態度を取る。
「なに?」
それは男のこめかみにピキっと青筋を立てるのに充分だったようだ。
至極余裕さながらの舐めた態度の高校生に完全にブチギレている。
「…はっ。笑わせるな。魔術師真似っ子小僧になんぞ殺られるか。こんなガキ送り込んでくるなんて舐めた連中だ馬鹿め。」
「いやいや光栄に思うべきだよ」
「あぁん?」
「手加減してないんだよ。君たちに…」
「クソガキが…」
フーっと吐く息から魔物を取り出しながら不気味に笑う夏油と、帽子とマスクの隙間から見える鋭い眼光が交わった。




