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「ひあ〜…なんか日焼けしそーだけど、きもちーなー」


「おいらも〜」


「いやお前けっこー重いんだけど」


昴は魔力で一瞬で膨らめた大きな浮き輪に身を預けて浮かんでいる。

その昴の腹の上にクマが仰向けで乗っている。

クマは翔のサングラスをかけている。

それが意外と似合っているから笑ってしまった。



「そーいや、空って、海が反射してるから青いんだったっけ…」



そう誰かが昔言っていた気がする。


サングラス越しに見える空はどこまでも広くて

その下をぷかぷかと浮遊しているこの状態が、なんとも癒されると思った。



「水遊びなんかしてガキみてぇにはしゃいでるより、こーしてる方が断然いいよな」


「お前が言うセリフかよ」







「ねー、あいつらいつまでああして浮かんでるつもりなの」


「はは…あのまま流されてどっか行っちゃいそーだね」



瞳と里桜がそう言った瞬間、

背後から水鉄砲のような大きな水しぶきが昴を目がけて飛んで行った。


その飛沫が盛大に昴の顔にかかった。



驚いて振り向くと、不敵な笑みを浮かべている理玖と、その隣で笑顔で拍手をしている羽実がいる。



「っぶぁ!!!くっそ……理玖さんの仕業だな!

反則だろ!魔力使うなんて!!」


「てめぇも魔力使って浮き輪膨らませてたじゃねーかよ」


「・・・」


昴は理玖と羽実の方向を睨みながらズレたサングラスを戻した。

全員大笑いしているのが視界に入るが、無視してまた浮き輪に身を預ける。







「里桜、向こうへ行かないか?」


翔が指さす向こうには、遠くの方でぷかぷかしている昴とクマがいる。


「うん!行こ!」


笑顔で彼の手を握り、深くまで歩を進めていった。


水面が自分の胸元まで来た時、初めて気付いた。

こんなに深いところまで悟たちは来ていたのかと。


透き通っている綺麗な水中に、自分の足と翔の足が見える。

暑い日差しに打たれながらも、冷たい水が心地よくて、そして隣で握ってくれている愛しい人の手が暖かくて、本当に幸せだと思った。


ずんずん進んでいくと、首元まで到達しそうで歩みを止めた。


「ね、待って翔。私これ以上は行けないよ」


「そういえば、里桜は泳げるの?」


「わかんない。泳いだことないから」


「じゃー練習しよう」


「えっ?」


突然抱えあげられて、ぐわんと体が浮く。

急いで翔の首にしがみついた。


そのままどんどん進んでいくので、不安になってくる。


「え……ちょっと…突然離したりしないでよ?」


「はははは、信用されてないな」



水面が自分の肩あたりに到達してしまい、しがみついているだけで精一杯になってしまった。


「やっぱり離していい?」


「なっ!ダメ!!!」


くくくくと悪戯っぽく笑っている翔の首にさらにグッとしがみつくと、顔がものすごく近くなった。

弧を描く優しい目と視線が交わった瞬間、やっぱりキスを落とされた。


それを期待していた自分にちょっと恥ずかしくなりながらも、何度も角度を変えて濃密な口付けに応える。


そのまま、まだ進んでいることには気付かずに。




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