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期間限定を飲みに来た!!

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

この複雑さが、私の土地の相性のように思えます。

SNSを眺めていると、シーズンのビバレッジが並んでいた。今は十月故に、ハロウィンをモチーフにしたものだった。外見は中々に攻めた漆黒。攻めたデザインだと思って頭の片隅に。

それでお終いなはずだった。けれども街を散歩していると、ふと喫茶店のスタンドが目に入った。黒板に描かれた生クリーム特盛のフラペチーノ。そうなったら此処から逃れる真似は出来ず、気が付いたら入店をしていた。

「期間限定のフラペチーノとスイーツ、お願いします」

「はーい。限定品にご興味をお持ちになられたんですか?」

「はい。つい……」

話しかけられるとは思わず、少し吃った声で返答してしまう。お恥ずかしい。

穏やかな声の店員さんだった。この仕事が好きなのかな? だったら僥倖。もし嫌いだとしても、凄く頑張っていると思う。これからも無理せず頑張ってくださいね。というのを心の中で返す。

「見た目攻めてますけど、優しい味なんですよ〜」

そんな会話と共に、先にトレーの上に真っ黒なケーキを載せて貰った。それを片手に席に着く。

フォークの先っちょで、コブを突くと、ピンク色のクリームが顔を出す。スポンジは固め。パウンドケーキのようだ。ぽろりん、ぽろりんと崩れる屑をフォークに押し付けて口に入れる。やっぱり固めのパウンドケーキのようだった。上のクリームを先端に着けて口に運ぶと、柔らかいラズベリーが口に広がる。思った以上に好きな味。ラズベリー系のケーキは外れがないと確信する。

注文していたフラペチーノが完成したらしい。早速回収して、ストローを突き刺す。まずはひと口。

「……?」

確かに甘い。けどもくどくはない。何とも不思議な味だった。一度口を離して吟味すると、果てしない宇宙が広がって行く。見掛けからは想像も付かない程に、清涼感溢れる味な気がする。

好きか嫌いかで言ったらどちらでもない。でも多分好き? 美味しいか美味しくないかで言ったら、やはりどちらでもない。でも多分美味しい? それくらい、何とも不可思議な甘さだった。

この甘さを店員さんは『優しい甘さ』と表現した。くどくはなく、清涼的な甘さ。確かに『優しい甘さ』なのかも知れない。


「え、新作飲んだの? 味どうだった?」

「宇宙が広がる味だった。……難しいだよね……」

友人は私の神妙な顔を見て、真顔になったのは言うまでもない。

店員さんのコミュ力がカンストしていました。

棒チェーン店の喫茶店の店員さん、目玉飛び出るほどコミュ力の凄い方いらっしゃるので、偶に凍りつきます。

私も頑張ります。


飲んだ感想としては、味が複雑。

テーマパークの飲み物のように清涼感がありながら、飲めば飲むほどに優しくなっていく味です。

あの複雑さはかぼちゃプリンからなのでしょうか?

あんな複雑なんでしょうか?

ずっと宇宙が広がってます。


ひと口では到底言い表せないところが、今の縁とゆかりある土地とよく似てます。

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