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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
9/110

検証回だから面白くないけど見放さないで!

 素手は無理と言われたので、いつもの武器屋でナイフを買って(まけてくれた)、初心者用狩場に連れていく。

 いつもの犬魚が二人を出迎える。

 ガンツがナイフを振って……死んだ。


「なにやってんの?」

「反作用で死んだ」


 たぶん真面目にやってここで死んだのってお前が初めてだぞ。

 一方、ファニーの方は順調に犬魚を討伐している。

 あっちは生き返った後が弱くなるから、その前はただのスキル無しだ。


 ……あれ、こいつらやばくね?


 死ななければスキルなしで、片方はすぐ死ぬから戦闘しにくく、もう片方は一回ならまだ対抗できるかもしれないけど、たぶん、二回以上死んだら生き返ってもステータス差でゴリ押される。

 本人たちも気づいたようだ。


「イグノ、DAOでも、戦略を考えるのはお前の役割だったよな」


 お前の役割はリトマス試験紙だったけど。

 あと、お前用に考えてた訳じゃない。強そうな構成を発表して、それをこいつが採用してただけだ。

 順調にレベルを上げてたファニーもこっちを見て、


「よろしくね♡(ウィンク)」


 ガンツがまた死にました。

 多分心拍数が一定回数を超えると死んでるのかな?


「はぁ。まあ、お前らがレベル上がるまで暇だしなぁ。引き受けた」


 まだ尖った性能があるだけやりようがあるだろ。



 まずは、ガンツの使える武器を探さないと。

 というわけで、いつもの武器屋さんで、さまざまな種類の武器を使わせてみる。


「剣」

「反作用で死んだ」

「槍」

「反作用」

「銃」

「反動」


 うわぁ、マジでなんでも死ぬ。

 これ最早ダンジョンの斥候として使うしかないんじゃないか?

 それでもまったく攻撃が出来ないのは……というか、多分防御力と素早さのステータスがかけ離れてると、走っただけで死にそう。

 歩きながら熟考していると……ガンツが一つの武器を持ってやってきた。


「これなら死ななかった」


 もっているのは……刀?

 何故か分からないけど、刀なら死なないのか?


「よし、それなら幾らでもやりようは……」

「すまん、もう10回死んでるだけだった」


 終わった。

 3分後にもう一度使ったら、しっかり死んだ。

 あと残っているのは……


「弓かぁ」


 いや、引いただけで死ぬだろ。


「いや、なんかいける気がする」


 お前それ刀の時も言ってたぞ。

 うーん、一回攻撃するごとに死ぬのか……それに、剣とかは力を込められないから、やるとしても銃とかかなぁ。

 諦めかけたその時……矢が俺の目の前を通り過ぎた。


「ストック数は?」

「22、まだ死ねるはずだ」


 どういう原理だよ。

 とにかく、弓なら死なずに使えるらしい。



 次にファニーの方だが……こっちはすぐに決まった。

 スキルの検証をしていると、あることに気づいた。

 死んでも、魔力は減っていない。

 例えば、死ぬ前MPの最大量が100で、残っているMPが70だとして、一回死ぬとステータスが下がり、最大量は80まで減ったが……残りも80まで回復している。つまり、魔法ならただのMP回復にできる。



「できました」


 UAO内のカフェにて、二人に戦術を伝える(俺は歩き回ってる)。


「まずはガンツ。大体分かってると思うが、弓の遠距離アタッカーだ」


 正直、こいつに関してはこれしかない。

 だってダメージ与える手段がこれだけだし、壁にもならないし、こいつ回復役ヘタクソだし。

 初心者の時敵が妙に硬いと思ったら、こいつが回復させてたんだよなぁ。


「でも、それだとスキルが活かせてないんじゃないか?」


 少し焦った様な、ガンツからの反論。

 だが、全く動じていない俺は……一つの丸いものを取り出した。

 それは……爆弾。


「命がいくつもあるってことは、何回も自爆特攻できるってことだよな?」

「あー。なるほどな」


 要するに、この爆弾のおかげで、こいつは遠距離アタッカーだけど、近づいたら爆弾で一方的に吹っ飛ばし、自分は生き残れる。

 さらに、ストックが十分にあれば時間稼ぎも可能という、なかなか強そうなできに仕上がった。

 問題は遠距離合戦だが……まあ、全部対応なんて無理だ。

 こっちもストックでいい勝負はできるかもしれないけど、遠距離スキルを持ってこられるとキツイかもしれない。


「てことで、ステータスは攻撃力重視で、自壊警戒の防御力もひとつまみ、HPはなくていい。もう1とかでいいんじゃね?」

「HP1ってヌ〇ニンか。大体分かった、ありがとよ」

「ねえ、私は?」


 ずっと楽しそうに聞いていたファニーが、目を輝かせている。


「って言っても、唯一死亡制限がかからないMPを使った魔法アタッカーしかないと思う」

「そっかぁ」


 輝いていた目が一転、ちょっとがっかりした感じだ。

 しかし、これで終わりではない。


「ただし、それだとスキルが活かせてない。遠距離型ってあんまり死ない割に、接近されたら一瞬で死ぬから、生き返りを活かそうとすると、接近戦を仕掛けた方がいい。ガンツは例外」

「え?じゃあどうしたらいいの?」

「近接魔法アタッカー。MPを消費してステータスを上げる方法があるから、それを使え。多分、ステータス制限はかからない。この手のやつはMP不足が問題になるけど、死亡回復でどうにかなるだろ」


 つまり、生き返る魔法アタッカー。

 こちらもやはり、自滅特攻をしても生き返れることが長所になる。

 なにより前衛が俺一人だと寂しい。


「やったー、強そう。じゃあ、明日からも3人でがんばろー!」

「あ、ごめん明日無理だわ」


 またファニーが絶望的な表情を浮かべた。

 表情豊かですね。


「ちょっと用事がある」

「女と会って来る」

「は?」


 おいガンツ、合ってるけど余計なこと言うな、勘違いされんだろ。

 ほら、絶望から怒りに変わったよ。

 その時、軽く髪を整えていたガンツが、キリっとして、


「大丈夫、俺はいるから」

「明日は一人かー」


 ……ドンマイ東間。


 運営社員「さすがにマンボウ使いにくくないですか?」


 上司  「そうだな、一つくらい使える武器を用意するか」


 社員  「何にします?」


 上司  「マンボウに形が似てるし弓でよくねwww?」


 社員  「そうっすねwww」




 次回は現実回です

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[気になる点] 「ちょっと用事がある」 「女と会って来る」 「は?」 これってどれが誰のセリフですか?わからなくてすみせません
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