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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第四章 超インフレ編
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仏罰

 結局、苦手な遠距離型の相手としかマッチングしないガンツ君が負けまくり、初手〈捧命矢〉28で攻撃するチンパン戦術を押し付けていた。

 近距離型なら自爆でどうにかなるのになぁ。


「あー、明日やることない人、ルネ肆アのダンジョン行こうぜ」


 結果、イグノ、ギコー、ファニー、シェンラさん、ギコーで寺のダンジョンに行くことにした。

 これ天罰……いや、仏罰食らったりしないよね?


 洞窟みたいな鳥居が続いていて……なんか変なモンスターがいる。

 なんか頭にイクラモドキがてんこ盛りになってて、眉間にほくろみたいなやつがあって……名称は仏魚。


「……ガンツ、頼んだ」

「やだよ。呪われそうじゃん」

「いや、お前そういう役だろ」


 溜息をつきつつも、しっかりと弓を引いて、眉間に矢をぶち込み……3割くらいしか削れない。

 ガンツだけでは削りきれず、俺が加速で殴り飛ばしたけど、呪いみたいな物はなかった。


「なんかUAOの雑魚敵にしては強いんだぜ」

「もうちょっと人数連れてくればよかった」


 まあ、今回は難易度調査感覚でもいいかな。

 強くなっても雑魚は雑魚なので適当に対処して、最深部には一つの寺と……賽銭箱があった。

 地味に立派なやつなんだけど、


「……ご利益あると思う?」

「お、上見てみろよ、恋愛成就ってあるぜ」


 瞬間、ファニーとシェンラさんが駆けだして、賽銭箱に「十分ご縁がありますように」の十五万……十五万をぶち込んで、手を叩いた。

 いや、俺が言うのもあれだけど、十五万は使いすぎだろ。

 彼女たちが祈り終わった後、


ゴゴゴゴゴゴ


 賽銭箱が揺れ動いて、地面から何かが……某奈良県にいそうな巨大大仏。


「これ攻撃したくないんだけど」

「大丈夫です、私がイグノを守ります」


 ……ココロヅヨイナァ

 とりあえず後衛のガンツは下げ、タイミングを計って使いたいファニーとギコーを中衛にして、俺とシェンラさんで前衛をする。


「よし、やれガンツ」

「やっぱり俺なのね……〈マグネッターΩ〉」


 硬さ確認&呪いチェックのために、真っ先にガンツを攻撃させ、


「……本当に当たった?」

「そんな感じの音はしましたね」

「……全然HP減ってなくね?」

「1パーセントくらいしか減ってないぜ」


 またハニワみたいなガチ陰キャ型か?

 しかし、シェンラさんの方を向いていた巨大大仏の眉間のほくろみたいなやつが光り出して……、


「助けてーイグノー♡」

「ふざけてんなよ、アレはやばい!」


 加速してシェンラさんを背負いながら回避運動をとり……さっきまでシェンラさんがいた場所に、虹色のビームが地面に穴を開けた。

 えぇ……あの硬さであのビーム?

 

「ぶ、物理攻撃が効きにくいタイプかもしれないから。ファニーさん魔法攻撃よろしく」

「う、うん」


 ぬいぐるみを伸ばして大仏に接近し、


「〈抜き毒手〉」


 毒を纏ったファニーの右手が、大仏の腕に刺さって……いつもなら1割減りそうな攻撃なのに、今回は1パーセント程度しか減っていない。


「これ削りきれるビジョンが見えないんだけど!?」

「超持久戦をするしか……」


 そんな俺の考えを打ち砕くように、大仏の頭のイクラみたいなやつが、水中に漂って……爆発。

 加速して逃げようとしたが逃げ切れず、全員ダメージを受けた。

 広範囲攻撃の割に、耐久型のシェンラさんのHPが2割ほど削れ、ギコーは一気に半分。


「絶望的過ぎて一周回って笑えてきたぜ」

「できるだけ削るぞ。シェンラさんはガンツの護衛、ファニーはかき乱しながら攻撃、ギコーは攻撃に集中して俺が移動させる」

「イグノの護衛したかった」

「……任せた(イケボ)」

「はい……(うっとり)」


 さて、最高攻撃力のギコーが、


「〈バーストエンジン〉〈チェーンバスター〉」


 チェーンソーで大仏をガリガリと削っていく。

 奴も、一番の脅威が誰か分かったのか、手が動き出して、


パチン


 ギコーを連れて脱出した所を参拝のように手が叩かれた。

 あれ食らったら即死するぞ。


「ありがとうなのぜ」

「ああ、こんな風に俺がどうにかするから、攻撃に集中してくれ」

「応!」



 出来るだけ攻撃に集中した甲斐もあって、奴のHPは1割ほど削れたのだが、


魔禍般若芯業まかはんにゃしんぎょう


 何か言い出し……剣を持ってる仏、メイスを持ってる仏、腕が4本の仏……要するに、なんかヤバそうな取り巻きが三体現れた!

 一筋の希望に賭けて、とりあえず刀持ちに加速ラッシュを食らわせてみたが、3割くらいしか削れない。


「こんな時、どういう表情すればいいか分からないの」

「泣き叫べばいいと思うぜ」

「調整ミスだろこれ!」


 加速が終わって、俺に向かって振られた剣をメリケンサックで防ごうと……右手に謎の網が絡みつき、剣が頭に……ファニーがぬいぐるみで引っ張ってくれなかったら危なかった。

 しかし、動けなくなったファニーに4本腕が近づいて……ファニーの首が飛んだ。

 まだ何回かは生き返るが、このままじゃすぐ終わるぞ。

 取り巻きまでマジで強えぇ。

 さらに、大仏がまたイクラをばら撒いて……ギコーが死んだ。


「イグノ、指令を!」

「……もうどうにでもなれぇぇぇ!自由行動!」


 無理、無理!


「〈木錬成〉槍」

「おい、あいつ遊び始めたぞ」


 食らえ、投げ槍攻撃、投げ槍!

 適当に投げられた槍は、剣持ちに簡単に切り刻まれ……視界外から飛んで来た理不尽ビームで死んだ。

 この後、なんとか攻撃を集中させて剣持ちだけでも倒そうとしたが、3発目のビームでシェンラさんがやられ、四本手に捕えられたファニーも死に、投げやりになったガンツが全てのストックを捧げて死んだ。


 ……もし次話の投稿がなかったら、仏によって罰が下されたと思って下さい。

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